発行物

「wamだより」VOL.19(2011.11)

以下は、 VOL.19(2011.11)に掲載した文章です。


“民衆蜂起の時代”の連帯活動

池田恵理子(wam館長)

wamだより19号この秋、全国各地の「慰安婦」支援団体の集まりで、10cm四方の小さな布に文字やイラストを熱心に描いている人たちを見かけた方は多いはずです。そして、「あなたも1 枚、描きませんか」と誘われたことでしょう。そう、韓国ソウルの日本大使館前の水曜デモが、12月14日に1000回を迎えることから、皆でメッセージを描いた布を縫い合わせて「1000人キルト」を作るためです。何とも無念で申し訳ないことに、ハルモニたちが求める日本政府による謝罪と賠償はまだ実現できず、水曜デモはギネスブックの記録を更新し続けています。折も折、韓国の憲法裁判所は「慰安婦」被害者の訴えに、韓国政府の不作為は「違憲」という画期的な決定を下しました(詳細は特集を参照)。皆さん、これを弾みとして政府への働きかけを強めるために、12月14日には各地の連帯行動に結集しましょう!

世界は今、“民衆蜂起の時代”を迎えています。チュニジアのジャスミン革命は「アラブの春」を引き起こして独裁者たちを窮地に追い込み、アジアや欧州でも変革を求める市民が街頭に出始めました。9 月には、ニューヨークのウォールストリートで経済格差を訴える若者たちが占拠を始めると、アメリカ各地に、そして世界へ飛び火。こうした“民衆蜂起”では、ツイッターやFacebook、YouTubeなどが重要な役割を果たしています。ヒト・モノ・カネが国境を越えて自由に行き来する世界で、情報や映像もマスメディアを介さずに広がり、人々がダイレクトにつながるようになったのです。

日本では3.11以後、脱原発のデモが頻発して予想を上回る参加者で溢れかえり、警察による強圧的なデモ規制が問題になっています。9 月19日の東京の「さようなら原発」集会には6 万人が結集しました。多くのマスメディアはこれらを極力過小評価してニュースの扱いは抑えられていましたが、私の実感では、現場は率直な怒りと連帯の空気に満ちていました。デモは初めてという若い参加者が多く、彼らの情報源の7 割はネット、ツイッター、口コミ…という調査結果も出ています。「慰安婦」問題の関係者にとって街頭デモはかなり日常的な行動のひとつですが、新たに声をあげ始めた若者や市民とのつながりは、今後、意識していきたいと思います。

中国ではこの2 月、ネットで呼びかけられた民主化要求のデモを治安当局が抑え込み、ネットへの監視が強化されたと報じられました。しかしネット人口が4 億5 千万にものぼるという国で、規制はどこまで可能なのでしょう。私は10月、西安の陝西師範大学でのパネル展開幕式と国際会議に参加しましたが(詳細は11頁を参照)、中国のフェミニストたちがネットで情報を共有し、世界の女性たちの動きにも敏感に反応していることを知って、嬉しくなりました。「広州でもパネル展を開きたい」という女性研究者は、国際的な「ジェンダー暴力と闘う16日間キャンペーン」に連動した企画を考えていました。これまで15年以上も中国に関わってきましたが、こんな反応が即座に出てきたのは初めてでした。少しずつですが、世界は変わっていく…という思いを強くしています。


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