発行物

「wamだより」VOL.26(2014.3)

以下は、 VOL.26(2014.3)に掲載した文章です。


籾井会長、NHKは政府の広報機関ですか?

池田恵理子(wam館長)

wamだより26号ここ数年の『wamだより』を読み返すと、“戦争ができる国”へ向かう日本社会への危機感が刻々と高まってきたことがよくわかります。フランク・パブロフの寓話『茶色の朝』が
描く、ファシズムが人びとの自己保身や思考停止をいいことに忍び寄り、気がつくと周囲が茶色一色に染まっていた…という恐ろしさは、決して他人事ではないのです。NHKの前代未聞の異常事態を物語る籾井勝人会長の暴言(加えて百田尚樹、長谷川三千子経営委員の言動)と、それでも辞任の気配もないことに憤り愕然としながら、『茶色の朝』の光景が脳裡から去りません。

籾井会長は就任記者会見で、「『慰安婦』は戦争をしているどこの国にもあった」と述べ、韓国からの賠償請求を「全て日韓条約で解決した」と言いました。いずれも日本軍「慰安婦」制度の実態を知らずに右派の歪曲された言説を鵜呑みにし、戦時性暴力や女性の人権について何も考えてこなかったことを暴露した発言です。さらに国際放送や秘密保護法に関して「政府が右ということを左と言うわけにはいかない」「通っちゃったんで言ってもしょうがない」として、NHKは政府の見解を伝える広報機関だと言わんばかりです。

しかしNHKは大本営発表を垂れ流した「国営放送」の過去を反省し、戦後は政府から自立した「公共放送」として再出発しました。権力に追随し、批判精神を失った報道機関はジャーナリズムとは言えません。籾井会長は各方面から批判を浴びると発言を撤回しましたが、経営委員会では「私は大変な失言をしたのでしょうか」と開き直り、個人的見解は変わっていないことがわかります。このような見解を持つ人は「公共放送」の会長にはおよそ不適格であり、極めて危険です。しかもNHKは、自らが抱え込んだこの大問題をまともに報道できていません。現場にはすでに委縮と自主規制が浸透しているのではないでしょうか。

wamでは2 月1 日に会長辞任を求める声明を出し、「慰安婦」問題の各団体と共にNHKに申し入れを行い、NHKの玄関前で「さよなら、籾井会長!」の抗議行動に参加しました。経営委員会が開かれた2 月12日には百田・長谷川両委員の辞任と籾井会長の罷免を申し入れ、日放労と面談し、再度玄関前で抗議行動を行いました。署名活動も行っています。

NHKで働いていた私は、こんな時には事前に後輩のディレクターたちに連絡をとるのですが、彼らからは閉塞した現状を嘆く悲痛な声が聞こえてきました。厳しい状況の中で格闘している少数のNHK職員は、事なかれ主義の横行や自主規制・事前検閲・相互監視が強化されていること、マークされた職員には人事的制裁が加えられることなどを訴えています。それでも、玄関前で集会をしている私たちに目立たないように小さく手を振りに来たり、「NHK職員、がんばれ!」「NHK職員も闘おう!」というシュプレヒコールに心打たれた…と言う職員もいました。安倍首相の思惑通りにNHKを乗っ取られてはなりません。NHKの内外と連帯しながら、籾井会長と二人の経営委員の辞任を強く求め続けましょう!


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