発行物

「wamだより」VOL.29(2015.3)

以下は、「wamだより Vol.29」(2015.3)に掲載した文章です。


国会を包囲した 安倍政権への怒りのレッドカード

池田恵理子(wam館長)

wamだより29号呼びかけの期間も短かったので、国会議事堂を囲む輪が結べなかったら恰好がつかないな…と、赤いブレザーで出かけた1 月17日の「女の平和」の「人間の鎖」でしたが、夥しい数の女たちの結集に仰天しました。集団的自衛権の行使容認や改憲の動きに反対して、赤い色を身にまとった7000人もの女たちが議事堂を二重三重に取りまいたのです。これは、1970年代に古い因習からの解放を求めたアイスランドの女性たちの「レッド・ストッキング運動」をモデルに、300人余りの各界の女性たちが呼びかけたものでした。私は予想外の熱気に舞い上がって、ビデオ撮影をしながら国会の周りを2 周したところ、10年、20年もご無沙汰していた懐かしい顔や、沖縄や福島から駆けつけた女性たちに声をかけられました。誰もが「ここで行動を起こさなければ、日本は戦争に突入する」という危機感に満ちて、安倍政権に「No!」を突き付けていました。

ところがこの日、国会に安倍首相はいませんでした。首相は16日から中東諸国の歴訪に発ち、17日にはエジプトのカイロで、「ISILと闘う周辺各国に、総額で2 億ドル程度、支援をお約束します」と演説しました。するとIS(イスラム国)は1 月20日に、人質にした湯川遥菜さんと後藤健二さんの殺害予告をネットに公開し、「日本の首相へ。日本はISから8500キロ以上も離れているのに、自ら進んで十字軍に参加した」として2 億ドルの身代金を要求。首相はイスラエルでの記者会見で「許し難いテロ行為」と非難しましたが、二人の日本人は殺害されました。

その後明らかになったのは、すでに日本政府が昨年12月には二人の拘束を知っていたという事実です。それでも安倍首相は中東に向かい、ISとの闘いに支援を約束することが、ISへの挑発になるとは考えなかったのでしょうか。これは明らかに安倍政権の外交政策の大きな失敗です。ところが安倍首相は反省するどころか、今回の事件を口実にして自衛隊派遣から実質的な参戦、そして憲法9 条を葬り去る…と目論んでいるに違いありません。

しかしこの失策と責任を問う声は、メディアからも政界からもほとんど聞かれません。逆に批判をすれば、「テロに加担するのか」「非国民」と非難されます。頑張って報じているのは、週刊金曜日や日刊ゲンダイ、週刊ポスト、週刊現代くらいでしょうか。こんな時こそメディアは事件の検証と責任追及、問題提起をすべきなのに黙り込んでいます。これこそ危ない!

絶妙のタイミングで国会を包囲した「女の平和」では、次のようなシュプレヒコールが繰り返されました。「集団的自衛権の行使は認めない!」「人を殺しあうのは嫌!」「よその国の戦いに加わらない!」「誰ひとり戦争に行かせない!」「差別をなくし自由を守り育てよう!」「この国の主権者は私たちです!」…そして「安倍政権にレッドカードを!!」。


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「wamだより」

頒価:100円 / 発行者:アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」

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