日本軍「慰安婦」関連公文書

日本政府認定済公文書
日本政府未認定公文書の一覧


日本軍「慰安婦」関連公文書のウェブ公開および、
公文書タイトルの英語・韓国語翻訳プロジェクトについて

 アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)は、2015年8月4日、河野談話発表から22年が経った日に、河野談話以降に発見・公表された公文書をウェブサイトで公開しました。これは、第12回アジア連帯会議の名で2014年6月2日に日本政府に提出された資料をもとにしたもので、河野談話後の研究成果を多くの人々に実際に見ていただきたいという思いからでした。

 このたび、wamの新たなプロジェクトとして、日本軍「慰安婦」関連公文書を、日本政府が認めているものも含めて、一覧できる形式で公開することにしました。政府の第1次、第2次調査で公表されたものには多数の重要な文書が含まれているにもかかわらず、多くの人がアクセスできる状況ではなかったからです。加えて国外での「慰安婦」問題に関する関心の高まりを受けて、公文書タイトルを英語と韓国語に翻訳するプロジェクトも実施しました。
 ウェブサイトは、日本政府が認定した「慰安婦」関連公文書(「日本政府認定済公文書」)と日本政府が認定していない「慰安婦」関連公文書(「日本政府未認定公文書」)に分け、それぞれに原本画像(PDF)と文書情報を掲載し、英語・韓国語のタイトル翻訳も付しました。これらの公文書から、日本軍「慰安婦」制度は日本軍が立案し、管理し、統制した、軍の後方施設であることが確認できると思います。一方で、これらの公文書は日本軍や政府、あるいは連合国等が作成した資料であり、ここから女性たちが「慰安婦」として受けた苦しみを読み取るのは困難です。権力側にいる男性たちが記録した文書には書かれていない被害にも、ぜひ思いを馳せていただければと思います。

 なお、河野談話発表前に研究者やメディアによって発表されていたにもかかわらず、オランダの国立公文書館に所蔵されている等の理由で政府が認定していない文書があることもわかっています。また中国では、日本軍が敗退する前に処分しきれなかった日本軍の文書等で、中国国内の档案館(文書館)が保管していたものの公開が進んでいます。これらの文書についても公文書館や研究者等から原本が入手でき次第、公開していきます。将来的には横断検索が可能なデータベース制作を含むwamの日本軍「慰安婦」アーカイブに向けて取り組んでいく所存です。
 末筆となりますが、限られた時間のなかで翻訳や監訳を担ってくださった方々に感謝の意を表したいと思います。また、公文書の複写は、研究者や市民による調査、情報公開請求手続を経て入手したものを全面的に活用させていただきました。龍溪書舎からもクリア・コピーの使用許可をいただきました。多くの方々のご協力・ご支援によって、当プロジェクトを実施できましたことを感謝申し上げます。

 日本軍「慰安婦」制度の研究がさらに深化・発展し、多くの人々が日本軍「慰安婦」の歴史を知り、このような戦争犯罪を二度と繰り返さないために伝え続けることは、被害を受けた女性たちの願いでもあります。引き続きwamアーカイブ事業へのご協力、ご支援も併せてどうぞよろしくお願いします。

2016年11月15日
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)




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