出典種別 | 兵士の回想録等 |
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現在の地域情報 | ネピードー連邦領 デッキーナ県 ピンマナー郡区 |
資料にある地域情報 | ピンマナ近く |
慰安所があった時期 | |
記載内容 | 何日の間、どうさまよったかは知らないが、ビヨウベ、ヤメセン、タトコンを過ぎ、おそらくピンマナ近くではないかと思われる。・・・一直線にのびる道路を一隊列が行軍をしてきた。その隊列が近づいたとき、私はひどくびっくりした。二列縦隊の先頭に、2人の女が歩いてきたのだ。どこの部隊の兵士なのかは知らないが、おそらく南に向かって転進しているのはまちがいない。2人の女はズボンをはきリュックサックを背負い、まるで登山姿であるが、まちがいなく朝鮮人慰安婦であろう。・・・ 私は、ぼんやりと思いに耽っていた。すると、通りすがりの女の声が聞こえた。「シポーで出会ったお兄さんでない?」私が頭を上げて振り返ったときは、隊列はすでにカーブを廻って、先頭はもはや見えなかった。シポーで出会った妹といえば、五福女か、でなかったら恩京であろう。約5,60名ばかりの二列縦隊は、私の前を過ぎてわれらより下流の方で止まった。彼らも河を渡るらしい。さっき私に話しかけたシポーの妹が、こちらを振り向いた。彼女が手を振る。からだつきからして、やよやかな五福女ではないようだ。では恩京にちがいない。・・・ 「五福女は爆死したの。一度も見たことのない赤ちゃんがあったのよ。本当に哀れだわ。私達はマンダレーをトラックで抜け出る途中だった。おそらくタジあたりではなかったかしら。五福女も大姉さんも爆死したわ。私と日本人の女性の2人だけは、かすり傷ひとつも受けなかったのよ。兵隊達と一緒に後退するとき、私達は隊列の先頭に立たされたのよ」 |
証言者 | 李佳炯 |
証言者属性 | 朝鮮人日本軍兵士(学徒志願兵) |
部隊名 | 狼師団山砲隊 |
資料タイトル | 怒りの河 ビルマ戦線狼山砲第二大隊朝鮮人学徒志願兵の記録 |
著者、公文書発信者など | 李佳炯 |
公文書宛先 | |
発行日 | 1995.3.3 |
発行所 | 連合出版 |
ページ | 216-221 |
出典備考 | 注:著者略歴に「1944年1月、朝鮮学徒志願兵として龍山の26部隊入隊、ビルマに赴く」とある。本証言は、シッタン河上流のピンマナ近くで目撃した2人の「慰安婦」のこと。彼女らはマンダレーから撤退してきた。以前、シポーで会った恩京だった。もう一人は日本人。 |
備考 |
行軍時の証言。慰安所に関する詳細不明。 ※日本軍慰安所マップの地点としては反映させていない。
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