出典種別 | 兵士の回想録等 |
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現在の地域情報 | パゴー管区 タウングー県 タウングー郡区 |
資料にある地域情報 | トングー |
慰安所があった時期 | 未記載 |
記載内容 | 軌道中隊がアマラプラから、トング―へ転進して来てから間もなくのこと、当時中隊本部に居た私は、夕方の点呼は終ったが何の用もなく無聊を託っていた矢先き、ふと3キロばかり離れた、高部隊のピー屋に素的な広東女性が居て中々のサービス振りだとか、つい2,3日前の噂を思い出した。こうした話の纒るのは早いもので直ちに夜襲することに衆議一決、隊員の寝静まるのを待って脱柵し、勇気凛々4人のサムライ達は長いこと処理しかねていた、“男のチエ”を排出に件の場所を目指して出撃した。斯く言う某もその一味であったことは申すまでもない。・・・ 私は殊勝らしく後からついて行った。ジャングルの中に灯がチラチラ見えて来た。「在った在った」とまるで大切な物でも捜し当てたように勇み立った。・・・女護ヶ島から2,3の兵隊が出て来た。航空隊の兵隊らしい。こっちをジロジロ見たが、軍属服を見ると”フイ”と目を外らした。部屋の中から黄色い笑い声に混じって妙なアクセントの話声が聞こえて来た、「朝鮮か」「シッそんな事を言わんで」花園には眩いばかりに色とりどりの花が咲き乱れ、静かに揺れる彼女達の姿は風にそよぐ水蓮を思わせて一瞬私を魅惑した。名にし負う“広東美人”だ、どれもこれも美しい。・・・その名を春蘭と言った。 |
証言者 | 柳井潔 |
証言者属性 | 日本軍兵士・元乙三副官部鉄道官補 |
部隊名 | 軌道中隊 |
資料タイトル | 戦うビルマ鉄道隊 |
著者、公文書発信者など | 柳井潔 |
公文書宛先 | |
発行日 | 1962.4.20 |
発行所 | 乙三ビルマ会本部 |
ページ | 608-614 |
出典備考 | 柳井潔「シシ食った報い」 |
備考 | アジア歴史資料センター:C141060191800のビルマ50万分の1の地図に「タウングー」がある。同ヵ所には手書きで「トング―」と記されている。ペグーの北方である。現在の地図の同所にはタウングーがある。 |