出典種別 | 目撃証言 |
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現在の地域情報 | 地名特定不可能 |
資料にある地域情報 | シッタン |
慰安所があった時期 | 未記載 |
記載内容 | シッタンの渡河点の混雑はいいようもなかった。・・・今まさに岸を離れようとしていたモンキョウ(大きな筏のようなもの)に乗せてもらえた。日赤の救護班員と気づいてくれたからだった。赤十字看護婦の誇りというか、喜びといおうか、たぎり立つ思いが胸をよぎった。久方ぶりの感情のたかぶりであった。瞼がぬれた。向こう岸に近づくまでの緊張感は言い難い。ようやく岸に上がり渡河した瞬間、再び阿鼻叫喚、ひときわ高い女たちの声に驚いた。動こうとしないでただ泣き喚いている。その人たちに「一緒に歩きましょう、私たちと行きましょう」と何度も誘いかけたが、誰も立ち上がろうとしない。彼女たちは、もはや役にも立ちそうにないたくさんの軍票をしっかりと抱え持っていた。 |
証言者 | 坂本住代 |
証言者属性 | 従軍看護婦 |
部隊名 | 森7005部隊106兵站病院 |
資料タイトル | 従軍看護婦たちの大東亜戦争 私たちは何を見たか |
著者、公文書発信者など | 『従軍看護婦たちの見た大東亜戦争』刊行委員会 |
公文書宛先 | |
発行日 | 2006.8.1 |
発行所 | 詳伝社 |
ページ | 141 |
出典備考 | 坂本住代「自決準備をした行軍-ビルマ戦線」 |
備考 | 軍票を抱えた女性がいたとの証言。「慰安婦」だとの明言はなく、慰安所の位置も不明。 |