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資料の詳細

出典種別 兵士の回想録等
現在の地域情報黒龍江省 黒河市 孫呉県
資料にある地域情報孫呉
慰安所があった時期1944年前半
記載内容この遜比拉河畔に周囲を赤い煉瓦塀に囲まれた、なんとなく妖しいムードの建物が二つ並んで建っている。孫呉第一慰安所、第二慰安所である。南孫呉は、北孫呉から4キロ南にある市街地で、北孫呉よりずっと賑やかだ。野戦貨物廠や野戦兵器廠、自動車廠、火力発電所、日赤などがその市街地の周囲に散在している。市街地には、大和ホテルや料亭、飲食店街、映画館などがあり、慰安所常盤とか、慰安所いろはとかいう民営の店も開いている。補助検閲官を終わって、3日ほどしたら、師団の週番士官を任命された。主計将校の週番勤務は、後方施設の巡察に限られる。例によって神田主計中尉は、新前にぼくのために、巡察コースの順序から、コツやらを細々と教えてくれた。「野戦貨物廠の次がいよいよ最後の慰安所だ。第一、第二とも25人ずつ、50名の慰安婦が、それぞれの個室を持って、兵の慰安業務を行っている。慰安婦はすべて若い朝鮮女性である」中尉はここで声を落として、「彼女たちは、女子挺身隊とか、女子愛国奉仕隊とかの美名で、朝鮮の村々から集められたらしい。18歳から23歳までの独身女性で、仕事は軍衣の修繕、洗濯等の奉仕であると説明されての強制徴用であるようだ。連れてこられて、仕事の内容を知り動顚するが、もはやどうするという自由はない」
証言者金井英一郎
証言者属性日本軍兵士
部隊名第1師団
資料タイトルGパン主計ルソン戦記 戦場を駆けた一青年士官の青春
著者、公文書発信者など金井英一郎
公文書宛先
発行日2002.10.14
発行所光人社
ページ56-57
出典備考引用は光人社NF文庫。単行本は1986年8月文芸春秋社から刊行。
備考 現在の地図の黒河市の中央付近に孫呉県がある。
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