出典種別 | 兵士の回想録等 |
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現在の地域情報 | 吉林省 四平市 公主嶺市 |
資料にある地域情報 | 公主嶺 |
慰安所があった時期 | 1945年 |
記載内容 | その夜当直勤務についた私は、9時頃になって一人の日本女性の来訪を受けた。女は厚化粧をして派手な和服を着ていた。どこか艶かしく一目で娼婦と分った。彼女は受付へ一枚の免税票を提示して声高に、「この兵隊さんが私の大切な腕時計を盗んだのよ、すぐ調べてね」と訴える。・・・翌日、私は、曹長の指示で免税票を懐に350部隊を訪れた。満州国が関東軍将兵に対して、遊興税を三割方免除している。免税票はその証明書のようなもので、発行した部隊名が印字されてあり、使用する際は氏名を自署しなければならない。私が伍長の聞き取りを始めると、副官は席をはずした。・・・時を移さず部隊へ行き、防火主任将校立会いのもと、防火砂の中を探したところ、伍長の自供通り、女物の腕巻き時計を発見した。・・・ 8月16日、公主嶺憲兵隊の裏庭から朦々として黒い煙が中天に舞い上がった。重要書類の焼却が始まったのである。 |
証言者 | 谷口忠吾 |
証言者属性 | 日本軍兵士・憲兵下士官 |
部隊名 | |
資料タイトル | 反動下士抑留記 憲兵下士官の体験した終戦宣言前後 |
著者、公文書発信者など | 谷口忠吾 |
公文書宛先 | |
発行日 | 1994.12.20 |
発行所 | 能登印刷出版部 |
ページ | 11-15、28 |
出典備考 | |
備考 | 『満州帝国分省地図』の新京市(現在の長春)と四平市の間に公主嶺市がある。現在の地図の同所も公主嶺市である。 |