出典種別 | 目撃証言 |
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現在の地域情報 | 東北部 地名特定不可能 |
資料にある地域情報 | 不明 |
慰安所があった時期 | 1931年 |
記載内容 | 満州事変が起こってから何日目だったか忘れたが、鉄道事務所内に、関東軍兵站司令部が設置された。この司令部は、作戦のために後方に在って、鉄道による各種軍需品の補給・調査・発送の確保を任務とする機関だった。数ヵ月後に、関東軍線区司令部と改称されて、昭和10年3月までつづいていた。私はその間、満鉄社員でありながら司令部専属のタイピストになった。後に11年夏、従軍記章と銀製帯留を授与されたが、敗戦で日本に引き揚げるとき、残念ながら吉林の土中に埋めて来た。兵站司令部勤務2日目のこと、私は渡された原稿を見て驚いてしまった。作戦用に発送する各種品目の第一行に“女”とあるのだ。これは何かのまちがいだと思ったので、私は担当者にたずねた。ところがその人は、「女でいいよ」という。私は、「どうして“女”が荷物ですか?」と重ねて質問した。・・・この意味を実際に理解することができるまでには、1年くらいかかった。“女”は後には輸送計画のなかに”慰安婦”と書かれるようになった。“慰安婦”が、ある意味では、軍事行動の陰の力であることを知ってからの私は、複雑な気持の思いやりの目でこの三文字を見るようになった。 |
証言者 | 黒木ハマ |
証言者属性 | 軍属 |
部隊名 | 関東軍兵站司令部 |
資料タイトル | 女一人の約束 黒木ハマ自伝 |
著者、公文書発信者など | 黒木ハマ |
公文書宛先 | |
発行日 | 1981.12 |
発行所 | 日本エディタースクール出版部 |
ページ | 130-131 |
出典備考 | |
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