資料の詳細

出典種別	兵士の回想録等
現在の地域情報	湖北省　武漢市　武昌区
資料にある地域情報	武昌
慰安所があった時期
記載内容	5月11日　今日は10時、曹長殿のお伴をして対岸の武昌の兵器廠へ器材交渉に出かける。・・・ 武昌の街も漢口同様に兵隊の氾濫で街の主通りは一本道である。そして物価の高いことも漢口と同様である。とにかく物欲に目をとられがち。物は高いが豊富だ。この方面の兵隊は案外金を持っているのに驚く。五百円札を惜し気もなく出して色々な物品を買っているのも一異風景である。兵器廠よりの帰途、特殊慰安所の方を廻って見る。だらしない姿と足や手首に何か斑点のようなものができているのを眺めると何か穢い動物としか思えない。フトそこの慰安所から出てきた途端、一人の看護婦に会う。スラリとした背、整然たる顔立ち、清楚な黒の服装に腕章の赤十字のマークが目にしみるようで、静かに曹長殿に向って一礼して行き去る後ろ姿を眺めてなんとなく心の浄められたような感がする。前の商売女と看護婦のなんと大きな相違のあることよ！
証言者	石川鶴繁
証言者属性	日本軍兵士
部隊名
資料タイトル	アシアト
著者、公文書発信者など	石川鶴繁
公文書宛先
発行日	2005.8.5
発行所	鳥影社
ページ	95
出典備考
備考	テキサス大学図書館公開の中国地図・漢口（シリーズＬ500、1954～）に「武昌」がある。地図の左側中央「4-8」にある。現在の地図で同所は「武漢市武昌区」である。テキサス大学図書館公開の中国地図・漢口は次を参照のこと。 http://legacy.lib.utexas.edu/maps/ams/china/txu-oclc-10552568-nh50-5.jpg