出典種別 | 兵士の回想録等 |
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現在の地域情報 | 湖北省 咸寧市 崇陽県 沙坪鎮 |
資料にある地域情報 | 大沙坪 |
慰安所があった時期 | |
記載内容 | 崇陽を過ぎた。ここはさんたんたる廃墟となっていて、城壁だけが残っていた。桂口についた。中隊はここで2,3日を過ごして、大沙坪に向った。・・・通城からは混成1個中隊、大沙坪からは2個中隊ーこれが合流して、掃蕩にあたることになった。その当時、わたしは第11中隊長代理をしていたが、その混成中隊長を命じられ、機関銃1個分隊が配属された。混成中隊は、他の大隊から2個小隊、それにわたしの小隊で編成された。中隊は池田連隊長に見送られ、大沙坪に向った。・・・ 漢口の町には、私には忘れられない女がいるはずだった。その女は、大沙坪の慰安所にいた。そこではじめて彼女に会ったのである。ある夜、遅くなってから、ぶらりと慰安所に立寄ってみると、ひとつだけ部屋の扉があいている。のぞいて見ると、薄暗い光のなかに、色の白い丸ぽちゃな顔があった。「いそがしいだろうなー」とわたしが声をかけると、「いいえ、ひまですわ。どうぞおあがりになって」東京弁のきれいな声だった。 |
証言者 | 赤星昴 |
証言者属性 | 日本軍兵士 |
部隊名 | 歩兵第45連隊 |
資料タイトル | 江南の春遠く |
著者、公文書発信者など | 赤星昴 |
公文書宛先 | |
発行日 | 1968.9.30 |
発行所 | 三田書房 |
ページ | 203-204、245-246 |
出典備考 | |
備考 |
大沙坪は通城県の北にある。別資料であるが、アジア歴史資料センター:B13080897500の地図に、崇陽、桂口、沙坪、通城の地名が見え、これらの位置関係がわかる。沙坪は大沙坪のことと思われる。崇陽県10万分の1の地図に崇陽南西方に桂口、大沙坪がある。テキサス大学図書館公開の中国地図・岳陽(シリーズL500、1954~)に「大沙坪」がある。地図の「7-5」にある。現在の地図で同所は「崇陽県沙坪鎮」である。テキサス大学図書館公開の中国地図・岳陽は次を参照のこと。 http://legacy.lib.utexas.edu/maps/ams/china/txu-oclc-10552568-nh49-12.jpg |