出典種別 | 目撃証言 |
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現在の地域情報 | 湖北省 宜昌市 |
資料にある地域情報 | 宣昌 |
慰安所があった時期 | 1945年1月頃 |
記載内容 | その頃、内地からは陸軍省恤兵部派遣の慰問団が戦場慰問にこの最前線に到着し、宜昌在留各部隊の慰問を終って最後に病院の患者慰問にとやってきたのであった。・・・二度あることは三度あるとか……この夜、演芸場の手榴弾騒ぎの頃、別の方では軍の慰安所で一人の慰安婦をめぐって愛欲の刃傷事件が起ったのだった。問題は些細なことだったらしいが「階級が上だからと云って10分も15分も長く女のところにくっついているとはけしからん」という一等兵と「長かろうが短かろうが、惚れた同志だ。文句があるなら表にでろッ!」と云う上等兵が互いに口論の挙句、帯剣を抜いて喧嘩になり、一等兵の方が上等兵に顔や腹を刺れて昏倒、駆けつけた戦友にかつがれて病院に送られて来たのだった。何ともいえない悪日だった。・・・ 気にかゝる患者さんを残し、いよいよこの第一線の野戦病院と別れを告げ、友の待つ漢口陸軍病院に出発しようとする朝だった。・・・自動車は私達ばかりでなく漢口に出るという一般邦人や慰安婦の人も二三人ずつ混じっていたが一車両ごとに必ず小銃擲弾筒をもった護衛警備の兵隊をつけてくれる心づかいには、たゞ、頭が下る思いだった。 |
証言者 | 安斎貞子 |
証言者属性 | 従軍看護婦 |
部隊名 | 呂武集団1639部隊日赤甲種救護看護婦 |
資料タイトル | 野戦看護婦 |
著者、公文書発信者など | 安斎貞子 |
公文書宛先 | |
発行日 | 1953.6.30 |
発行所 | 富士書房 |
ページ | 197-200, 202 |
出典備考 | 『野戦看護婦』は後に1956.4.27、東京ライフ社より再刊されるが、本資料が元版である。 |
備考 |
テキサス大学図書館公開の中国地図・宜昌(シリーズL500、1954~)に「宜昌」がある。地図の左上「2-9」にある。現在の地図で同所は「宜昌市」である。テキサス大学図書館公開の中国地図・宜昌は次を参照のこと。 https://legacy.lib.utexas.edu/maps/ams/china/txu-oclc-10552568-nh49-7.jpg |