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資料の詳細

出典種別 兵士の回想録等
現在の地域情報広東省 広州市 海珠区
資料にある地域情報広東市 河南
慰安所があった時期1939年
記載内容広東省広河市河南大塘村歩兵第70大隊
 山臼砲隊長松井義矩少尉
昭和14年4月末日彼は私達の小隊長となった。適当に我儘で、でたらめが好きである。・・・広東市内及びその周辺地区には、当時莫大な物資が隠匿されていた。援将ルートの最大の港として当然の話であるが、軍司令部もこの事に関して入城と同時に素早い活動を開始する必要があった。・・・30万円の機密費と共に松井少尉は、この任務を与えられた。・・・そうこうするうちに彼の網に思わぬ大漁がかかったのである。むしろ先方からかかってきてくれたという方が当っていた。広東市内を牛耳る泥棒の大親分、林某なるものが彼に近ずいてきた。・・・余談ではあるが、この林某なる大親分に毒気を抜かれた話がある。ある日の事、隊長はこの親分様を、ひやかし半分に、年令、体つき、処女であること、髪の色等、詳細に指定して、明日の夕刻迄にその女性を連行するように命じた事があった。勿論架空の女である。まさかそのような女がいるとも思えないし、又たとえいても連行する事などできる筈もないと思っていた所、翌日間違いなく条件に十分たがわぬ娘をちゃんと連れて表われたのには流石の彼も参ったそうである。この娘はしばらく彼の慰安婦となっていたが、あまりに可哀想なので途中で故郷に帰らしたそうである。
証言者仁木靖武
証言者属性日本軍兵士
部隊名独立歩兵第70大隊
資料タイトル戦塵
著者、公文書発信者など仁木靖武
公文書宛先
発行日1981.9.25
発行所新風書房
ページ131-134
出典備考注:松井少尉専属の慰安婦である。専属ということは歩兵第70大隊の所在「広東省広河市河南大塘村」に慰安所があったということ。
備考 香港50万分の1の地図に「河南」があり、その位置は現・珠海区の西北の一画である。現在の地図には「河南」はない。テキサス大学図書館公開の中国地図・KUANG-CHOU(シリーズL500、1954~)に「広州」がある。地図の下中央「3-5」にある。河南は殊江を挟んで広州中心部の南にある。現在の地図に河南はない。上位地名の「広州市海珠区」でとった。テキサス大学図書館公開の中国地図・KUANG-CHOUは次を参照のこと。
http://legacy.lib.utexas.edu/maps/ams/china/txu-oclc-10552568-nf49-4.jpg
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