出典種別 | 兵士の回想録等 |
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現在の地域情報 | 海南省 海口市 瓊山区 |
資料にある地域情報 | 海南島 琼山 |
慰安所があった時期 | |
記載内容 | また、私のこれまでのわずかな軍隊経験でも、上海や広東における短時日の駐留のときも、将兵が現地の慰安所に、夜な夜なひそかに通っていたことは仄聞していた。だが、今回は話が少し違うのである。すなわち、旅団司令部から『〇月〇日、琼山駐屯地に、従軍慰安婦1ヶ小隊が慰問に来る。部隊長は、この特種(殊)小隊を掌握し、部隊将兵の士気高揚に務められたい」といった主旨の命令が伝達された。早速、副官と軍医が隊長に招かれ、この旨伝達され、両者において実施計画をたて、特種小隊の取りあつかいと、トラブルのないような実施を要請された。・・・早速、森本副官と私は、細部にわたる実施計画にとりかかった。我々が駐屯している海軍兵舎は、都合よく1棟空いていた。この棟を第5中隊棟と呼称し、この兵舎の改造に着手した。各中隊より大工・建具職等の建築関係の職人を招集した。兵舎は、1ヶ分隊用の大部屋になっていたが、これを副室付個室約50室に改造した。各々の個室を将校用、下士官用、兵用に区分した。木製寝台も運びこまれ、寝具も用意され、準備万端ととのった。いよいよその当日となった。第5中隊約50名がトラックに日分乗し、兵舎に到着した。これを迎える衛兵の捧げ銃も、いつもの隊長に対する以上に気合いがはいっていた。男ばかりの集団の中に、久しぶりの女性のお目見えである。あやしく、なまめかしい雰囲気がただよう。第5中隊の構成は、日本女性もわずかにいたが、大部分は、台湾と韓国からの女性であった。 |
証言者 | 堀江祐司 |
証言者属性 | 日本軍兵士 |
部隊名 | 第23旅団指揮下部隊 |
資料タイトル | 湘桂作戦に従軍した 一軍医の回想 |
著者、公文書発信者など | 堀江祐司 |
公文書宛先 | |
発行日 | 1988.4.30 |
発行所 | 私家版(群馬県太田市) |
ページ | 198-199 |
出典備考 | 『季刊戦争責任研究 第3号』 日本の戦争責任資料センター 1994春 |
備考 |
テキサス大学図書館公開の中国地図・HAI-K'ANG(シリーズL500、1954~)の海口の南に「瓊山」がある。地図の下端中央右寄りにある。現在の地図で同所は「海口市瓊山区」中心部である。テキサス大学図書館公開の中国地図・HAI-K'ANGは次を参照のこと。 http://legacy.lib.utexas.edu/maps/ams/china/txu-oclc-10552568-nf49-14.jpg |