出典種別 | 兵士の回想録等 |
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現在の地域情報 | 地名特定不可能 |
資料にある地域情報 | ジャワ島・マレー半島 |
慰安所があった時期 | |
記載内容 | 戦前には内地でも一定の地域に許可された、いわゆる赤線地帯というものがあって、厳重な検査を受けた娼婦がいたことは御承知と思うが、野戦でも駐留期間中は、連隊本部所在地に数人の慰安婦と称する者が派遣されて、その検査を軍医が受け持たねばならなかった。これに先立って聯隊本部から「軍医は性病に就いての衛生講話をすべし」という命令が来た。丸亀の候補生時代、一度だけ何かの衛生講話を聴いた覚えはあるが、自分がやるのは初めてである。軍隊には講話の資料になるようなものは大してなかったが、とにかく学生時代の知識で、最も平易にわかりやすく講話することにした。何処からか古ぼけた机と黒板が運ばれた。性病というものがいかに恐ろしいものであるか、当時としては治療法も発達しておらず、いかに治りにくいものであるか等に就いて懇々と約1時間にわたって講義した。慰安婦は予め検査に合格した者を派遣するが、何処で悪質な性病に罹らぬとも限らないので、一旦罹病すると極めて厳重に隔離され、しかも最も不名誉なものとして処分された。従って我々の部隊でも兵の身体検査を厳重に何回も行い、絶滅を期したことは言うまでもない。 |
証言者 | 森晴治 |
証言者属性 | |
部隊名 | |
資料タイトル | 戦塵-第一線軍医従軍記 |
著者、公文書発信者など | 森晴治 |
公文書宛先 | |
発行日 | 1978.1.25 |
発行所 | 葦書房 |
ページ | 131 |
出典備考 | |
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