出典種別 | 目撃証言 |
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現在の地域情報 | 河南省 鄭州市 恵済区 |
資料にある地域情報 | 南岸 |
慰安所があった時期 | |
記載内容 | それからつい二日前のこと、交換所の屋舎を下った窪地に四つの天幕を発見した。原野の生活の人恋しさから、思わず足を向けたのだが、はからずもその天幕のなかに朝鮮の女を見てしまった。そのひとたちは慰安婦――。いくら朝鮮人とはいえ、場所が場所だけに、同性のその姿はあまりに哀しすぎ、急いで逃げ帰ってきたが、・・・南岸で営業するのではなかろうか?・・・私たちはヒソヒソと話し合ったが、最後には兵隊さんへの失望に落ち着いていった。あの天幕は、南へ消えたのか北へ消えたのか……、安心と怒りと、ほろ哀しさが同居したような複雑な気持ちを私に残して、大勢の女たちはどこかに去っていった。・・・ 丘に流れる軍歌の放声を楽しみにしながら帰る途中、またしても南岸站で朝鮮女の集団を見てしまった。停車中の軍用列車に同乗し、兵隊さんたちと一緒に窓から顔を出していたが、いったいどうなっているのだろう?あの種の女にまで徴用があるのだろうか。 |
証言者 | 森山かつみ |
証言者属性 | 電話交換手 |
部隊名 | |
資料タイトル | 遥かなり黄河 若き電話交換手の手記 |
著者、公文書発信者など | 森山かつみ |
公文書宛先 | |
発行日 | 1973.11.10 |
発行所 | 私家版 |
ページ | 45, 60 |
出典備考 | 注:本文の地図にはたぶん京漢線の鉄道であろうか、ここに描かれた線路の駅名として、黄河を挟んで北に北岸が、南に「南岸」が記載されている。 |
備考 | 地図あり。 |