出典種別 | 兵士の回想録等 |
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現在の地域情報 | 河南省 信陽市 溮河区 鶏公山 |
資料にある地域情報 | 新店警備隊 鶏公山 |
慰安所があった時期 | 1944年 |
記載内容 | 山麓から少し登った小高い榧の樹の合間に、白亜の殿堂と呼ばれる建物がある。これは新店警備隊に於ける慰安所の物語である。日本人及び朝鮮人の商魂逞しい商人達が、私設の慰安所を開設したのである。医務室は漢口兵站司令部の通達に基づいて、性病予防を筆頭に、衛生管理指導を行わなければならなかった。此処の慰安婦は漢口と異なり、危険な前線であるから、日本人の芸者崩れや、韓国人の女性は一人も来ない。全て現地の姑娘で賄われている。これ等の人事に関しては、大隊本部も医務室も一切関与はしないけれど、放置しておくわけにはいかない。週に1回の検診は、マラリヤ撲滅の行事と共に、重要な宣撫工作の一貫としていた。・・・兵隊達は儲備券(中国発行の紙幣)を握りしめ、白亜の殿堂へ出掛けて行くのである。 |
証言者 | 佐藤俊郎 |
証言者属性 | 日本軍兵士 |
部隊名 | 新店警備隊 |
資料タイトル | 叢す屍(くさむらすしかばね) |
著者、公文書発信者など | 佐藤俊郎 |
公文書宛先 | |
発行日 | 1994.10.20 |
発行所 | 近代文芸社 |
ページ | 16-18 |
出典備考 | 注:19pの写真キャプションに「新店医務室にて昭和19年」とある。また18pには「新店駅から京漢線の汽車で約1時間、漢口寄りの応山にある第11軍司令部の薬務課」とある。また本文には鶏公山の地名が記載され一ヶ分隊が警備しているとある。以上から証言は1944年のことで、京漢線新店駅近くに鶏公山に警備隊があったことがわかる。 |
備考 |
テキサス大学図書館公開の中国地図・MA-CH'ENG(シリーズL500、1954~)の信陽の南方に「sin-tien」(新店)があり、その東に「鶏公山」がある。本地図の左端である。現在の地図で同所は「鶏公山公園」である。テキサス大学図書館公開の中国地図・MA-CH'ENGは次を参照のこと。信陽50万分の1の地図に信陽南方に新店駅がありその少し東に鶏公山がある。新店ではなく鶏公山でとった。 http://legacy.lib.utexas.edu/maps/ams/china/txu-oclc-10552568-nh50-1.jpg |