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資料の詳細

出典種別 兵士の回想録等
現在の地域情報湖北省 武漢市 江夏区 五里界鎮
資料にある地域情報五里界「名ばかりの日本租界」
慰安所があった時期1939年
記載内容今日もあけぼのの女は酔っ払っていた。酒の座に出たからといって、こうも酔わなくてと思いながら、酔った女にからまれては話を聞かねばならなかった。通行証を書くという仕事の上で知り合った女ではあるが、虫が好かない。今日はっきりとこの女の酔う訳がわかった。つまり新しい一々の野心。つまり新しい慰安所を建てる望みを競争相手の男に取られて仕舞ったと云うので、酔っ払って平衡感覚も失った体をくねらせて、次のことを身を寄せ、くさい酒の香りを吹きかけながら話した。「私も日本の女です。今こんな所でこうしてやっているけれど、嘗ては満州で活躍した相当の女です。それに相手は韓国人じゃないですか。Mさんも余りじゃないか。今にどうしてやるか覚えているがいい」酔いにまかせて斯うも云った。
証言者波多野晥三
証言者属性日本軍兵士
部隊名
資料タイトル続・特務兵日記 1937~40年 華中戦線にて
著者、公文書発信者など波多野晥三
公文書宛先
発行日1998.3.30
発行所葦書房
ページ335
出典備考「Ⅳ五里界にて(昭和14年)」の章の記述
備考 五里界は武昌の南東、金口の東方にある。現在「五里界鎮」である。テキサス大学図書館公開の中国地図・漢口(シリーズL500、1954~)の武昌の南東に「五里街」がある。地図の「4-5」にある。現在の地図で同所は「武漢市江夏区五里界鎮」である。テキサス大学図書館公開の中国地図・漢口は次を参照のこと。
http://legacy.lib.utexas.edu/maps/ams/china/txu-oclc-10552568-nh50-5.jpg
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