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資料の詳細

出典種別 兵士の回想録等
現在の地域情報湖南省 衡陽市 耒陽市
資料にある地域情報耒陽
慰安所があった時期
記載内容今日はかねて兵站と憲兵隊の世話で設営準備中の慰安所の店開きである。戦争は「他の手段(兵力の行使)による政治の延長」、さらには国家の臨時移動のようなものであるので、裁判所の軍法会議と軍律会議、警察の憲兵隊とともに戦地に出張ってきた公娼の遊廓が慰安所で、壮青年の男の大集団である軍隊にとっては、不可欠のものである。・・・
朝早く慰安所の様子をもてくるといって外出し、帰ってきた分処の上等兵の話によると、早くから指定日の警備隊と野戦病院の兵隊で大賑わいの景況で、慰安婦は8名、分処の利用日は火曜日、料金は儲備券で兵隊50元、下士官75元、ただし将校は利用日の指定がなく、しかも兵隊が帰営した午後8時から翌朝までのお泊まりもできる。現在、兵隊の月給は儲備券で一等兵150元であるから、月に最大限3回しか通えない。一方、兵站指定の将兵の月給に見合った格安の料金では慰安所の設営が成立たないから、衡陽でのように公定料金の10倍ないし数10倍の闇料金が横行し、兵隊が官物を盗み出して売り、作戦中に良民から金品を掠め取ったりして慰安所通いの資金を作ることにもなる。・・・
午後に女主人に土産を持って慰安所を訪ねたが、慰安所は既に10日ほど前に衡陽に引き揚げ、代わりに耒陽の住民の支那人が、支那姑娘を集めて新たに慰安所を開いている。
証言者向山寛夫
証言者属性日本軍兵士
部隊名統17700部隊隷下の軍政機関・嘱託
資料タイトル粤漢戦地彷徨日記
著者、公文書発信者など向山寛夫
公文書宛先
発行日1994.6.10
発行所中央経済研究所
ページ114, 180-182, 313
出典備考
備考 耒陽は衡陽市の南東にある。テキサス大学図書館公開の中国地図・HENG-YANG(シリーズL500、1954~)の衝陽の東南に「耒陽」がある。地図の左中央付近「8-2」にある。現在の地図で同所は「衡陽市耒陽市」である。テキサス大学図書館公開の中国地図・HENG-YANGは次を参照のこと。
http://legacy.lib.utexas.edu/maps/ams/china/txu-oclc-10552568-ng49-8.jpg
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