記載内容 | 兵営と町との中間地帯に当部隊お抱えの慰安所を作ったのであるが、15人では生理の者が2,3人あり、また生理はうつるものとみえて、一斉に大勢の者が休んだりする。1個連隊といえば千5百人、これが日曜日にどっと外出して食堂で飲んでいる者。また、はやばやと故里を訪れる者がいる。女は主に姑娘であったが数が足りないので、部屋の入口に兵隊が列をなしている。全く興ざめである。女はただポーズをとっているだけで鼻唄でもうたっている。兵が勝手に遊んで帰るのであるが、蓮田という面白い中尉がいて、ストップウォッチで平均値をとってみた。部屋に入って、ゲートルをとって、遊び、ゲートルを巻いて出てくるまで、平均5分であった。・・・売れっ子は1人で50人ぐらい上げている。便所で逢うと軍医さん頭痛いよう、とこぼしている。・・・毎日曜の10時から検黴していたのであるが、香港から来たという女で、のぞきの最中、クスコ膣鏡のつけ根のハンダを2回もおられ、くずされたのがいる。ものすごい巾着である。軍医が揚る女は非常に権力を持っている。それは、軍医さんがみんなのを検査して自分が一番いいから上がってくれる。また、ほかの女達もそう思って一目おくらしく、権威を持ってくる。今朝がた別れた女を検黴するのは、嫌なものである。とにかく私は最初1回だけ、自分で全員の検査をし、次回からは衛生兵まかせで、窓際で私は煙草をくゆらせていた。異常があったらいえと命じてある。 |