出典種別 | 兵士の回想録等 |
---|---|
現在の地域情報 | 東ジャワ州 スラバヤ |
資料にある地域情報 | スラバヤ |
慰安所があった時期 | 未記載 |
記載内容 | こんなある晩、堀君と一緒にスラバヤの街を歩いていると、前方から立派なカイゼル髭をはやした軍人らしい人とすれ違ったが(私服なのでもちろん敬礼しない)、すれ違いざまに「おい、そこの見習士官」と呼びとめられた。・・・「自分たちはアンボンの第19軍々司令部付きを命ぜられ現在船待ちの身である」と告げると御機嫌で、「それは奇遇だ、自分はアンボンの19軍貨物廠の井上大佐だ、明日飛行機で出発するが、いずれアンボンで会うこともあろう。まあ良い、今夜は俺が良いところに案内するからついてこい」とたまたま通りかかったドカールに乗せられてしまった。・・・ ドカールは自分たちのいまだ通ったことのない街を走り、乗りつけたところは通過部隊の自分たちのいまだ知らない日本人の慰安所であった。井上大佐は玄関を上がると、出てきたおかみに「おい、若い連中を遊ばせてやってくれ」と言うとどんどん中に入ってしまった。なんだ、あの調子では井上大佐がおごってくれるかどうかも危ないし、こんな高級なところで遊んだらいくらとられるかも分からない。一晩5円のカンパで遊んでいる身にとってはとんでもないところだ。堀君と顔を見合わせるとキョトンとしているおかみを後に一目散に退散した。 |
証言者 | 奥隆行 |
証言者属性 | |
部隊名 | |
資料タイトル | 南方飢餓戦線ー主計将校の記ー |
著者、公文書発信者など | 奥隆行 |
公文書宛先 | |
発行日 | 2004.2.29 |
発行所 | 山梨ふるさと文庫 |
ページ | 123 |
出典備考 | 注:後日アンボンで井上大佐を見かけたが「年恰好が違う」、防衛隊の兵補部隊の隊長井上中尉がスラバヤのその人であったことが分かったという。 |
備考 | スラバヤはジャワ島東部の、マドゥラ島に接する位置にある。日本人慰安所の位置は不明。 |