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資料の詳細

出典種別 兵士の回想録等
現在の地域情報シャン州 ラーショー県 ラーショー郡区
資料にある地域情報ラシオ
慰安所があった時期
記載内容北ビルマの主都マンダレーへ着く。その昔2代の王朝の居城だったとか古いが格式の高い古城が見える。今野戦病院が入ってる様子、やがて鉄道の終点ラシオと言う街へ着く。いよいよ明日からは徒歩でのみ行動する他はなく何処迄行くのか判らない。我々兵隊には心細い限り。然しこの夜、隊長はこの街で大休止を指令、旅の疲れをいやし身体に付いたアカを落す様に昼の内からドラム缶のお湯に入る。其の上今夜は無礼講にするので心残りの無い様充分楽しめと言う。聞けば此所が慰安婦の居る最后の街だとか。ジャングルの中に小さな慰安所が立ち並んで居た。勿論乙草乙女も居り人気は上々、沢山の兵が順番を待って居る。とても初年兵は無理だ。隣りにはビルマ女の元気な姿又其の隣りには支那服の広東姑娘これも人気は良い方で多勢待って居る。それぞれのピー屋で本当に久し振りに皆男に成った様でした。私は一人幕舎の中で典範令を読んで居た。隊長が見廻りに来て、加藤行って来たんかと聞く。加藤はたくさんでありますと答える。馬鹿もん、日頃から大声の隊長が一段と大声でどなる。サア来るんだと私の手を取って先に行く。私はいやがる様な仕草をしたが心の中ではとてもうれしかった。4,5人並んで居る古兵の中へ割り込み。加藤は忙しいのだ先にしてやれと言う。私は真剣に後で結構ですと言う。又隊長口グセの馬鹿もんが出る。恐る恐るみんなの先に失礼してお先に済ませる。
証言者加藤常吉
証言者属性日本軍兵士
部隊名第2師団宮城福島新潟現役兵部隊
資料タイトルかたりべの群れ 私の戦時体験
著者、公文書発信者など沼津・戦後の戦友会
公文書宛先
発行日1986.10.15
発行所沼津・戦後の戦友会
ページ67-68
出典備考加藤常吉「 丈夫な脚が命を救う」
備考 アジア歴史資料センター:C141060191800のビルマ50万分の1の地図に「ラシオ」がある。マンダレーの北東、中国への幹線道路の途中にある。現在の地図の同所もラシオLashioである。
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