記載内容 | 10歳の私は、地主の3番目の妾の家で下女奉公をした。夜明けとともにはじまる妾の叱責と杖罰は夜空に星が輝くときまで続いた。寝る時間を除いて私の顔には涙が乾くときがなかった。数年後のある日、日本の巡査がやってきた。かれはしょっちゅうやってきては妾といちゃついている男だった。妾はかれと長い間部屋でひそひそと話したあと、私を呼んだ。部屋に入ると、日本人巡査は「ここで苦労しないでおいしいものを食べ、きれいな服を着てお金をたくさん稼げるところに行かないか」と言った。そこでずっと虐げられてきた私は、かれの話に心が動いてついて行った。13歳のときだった。かれと一緒に汽車に乗り、数日後に馬車に乗り替えた。馬車を降りると、そこにはカーキ色の軍服に赤い長靴の日本兵が大勢いるだけで、民間人は1人も見あたらなかった。巡査が私を日本の将校に引き渡した。将校は私を長屋に連れて行った。見ると長屋のまわりの高さ5mほどの塀の上には鉄条網が張りめぐらされており、方々に銃を持った歩哨が犬を従えて立っていた。・・・私を長屋の一番隅の部屋に入れた将校は、日本の着物を着ろと言い、これからおまえの名前は「おたか」だと言った。・・・私は部屋の隅に逃げ、泣きながら放してくれと哀願したが、かれは私を抱きあげて床にむりやりおし倒して裸にし、おおいかぶさってきた。しかし、私はかれの性欲を満たすには余りにも幼かった。かれは、ポケットからナイフを出し、下腹部に差し込んだ。その瞬間、私は気を失った。下半身に裂けるような痛みを覚えて正気に返ったのは朝方であった。私の性奴隷生活は、このようにはじまった。あとで知ったが、その将校の名は中村であった。 |