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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

【11.3】wamセミナー 天皇制を考える(15)「『皇国史観』はどう作られたか」

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「皇国史観」はどう作られたか
文部省の思想統制政策と歴史家の責任

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文部科学省による2023年度の中学校教科書の検定で、令和書籍の歴史教科書が合格したことが波紋を広げています。明治天皇の玄孫だという作家が執筆したこの教科書は、日本軍性奴隷制に関して歴史研究の成果に基づかない記載があるだけでなく、神武から始まる「皇位継承図」が掲載され、戦時中の「皇国史観」を彷彿とさせるからです。

そもそも「皇国史観」とよばれる物語は、誰が、どのような目的で書いたものなのでしょうか? 講師の長谷川亮一さんは、「皇国史観」の成り立ちについて詳細に追い、当時の文部省が「皇国史観」をつくりあげ、「国民」に膾炙するために担った役割を明らかしました。文部省に「協力」した歴史家も当然おり、それらの歴史家の「系列」は、現在の教科書検定制度と無縁ではありません。歴史と教育を戦争遂行のために利用した文部省、それに連なった歴史家たちの過去を検証し、今を考えます。どうぞふるってご参加ください。

日 時: 2024年11月3日(日) 14:00~16:30
お 話: 長谷川 亮一さん     
会 場: wamオープンスペース(定員40名/予約・先着順)
参加費: 1000円(wam会員。非会員は1200円)

*オンラインは翌日夕方以降のオンデマンド配信(2週間)になります。お申し込みはGoogleフォームで。会場参加のみ電話での申し込みも可能です。


【ゲスト紹介】 はせがわ・りょういち

1977年千葉県生まれ。立教大学日本学研究所研究員。千葉大学大学院社会文化科学研究科(日本研究専攻)修了、博士(文学)。近現代日本で信奉されたオカルト的な偽古代史書(「偽史」)への関心から出発し、日本近現代史を軸として、虚偽の歴史認識がいかにして形成され受容されたか、ということをメインテーマとしている。
著書に『「皇国史観」という問題――十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策 』(白澤社、2008年)、『地図から消えた島々――幻の日本領と南洋探検家たち』 (吉川弘文館 2011年)、『教育勅語の戦後』(白澤社、2018年)。学術雑誌から一般誌まで、幅広い媒体で論考を発表している。