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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

wam緊急ミニ企画展「徹底検証! 読売『慰安婦』報道」のウェブページを公開

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今年、2014年8月の「慰安婦」問題に関する朝日新聞の訂正記事以降、鬼の首を取ったように朝日の報道を攻撃した読売新聞。とはいえ「1990年代初頭は、読売だって同じような報道だったよねえ」というのが、私たちの共通のイメージ。 そこでwamでは、1980年代から2007年までの読売新聞の「慰安婦」報道を徹底検証してみました。題して「徹底検証! 読売『慰安婦』報道」展。
wamで数百の記事を検証してわかってきたのは、当初は読売新聞も挺身隊と「慰安婦」を混同していること、読売が批判している「20万人から30万人」という被害者数を使っていることだけではありません。
最も大きな問題は、朝日新聞が実施してきたような公文書や現地取材など、独自の「調査報道」をほとんどしてこなかったことでした。事実を掘り下げようという気概が全く感じられません。とはいえ、市民運動や政府の動きは小さいながらも丁寧に追っていて、個々の記者の思いが感じられる記事はたくさんありました。市民集会の記事では「強制連行 生々しく」などと見出しがつけられ、「慰安婦」をテーマにした演劇やアートの紹介も積極的でした。
どうやら大きな転換点は、1997-8年頃の「つくる会」発足や、安倍晋三らが歴史問題に動き出した頃です。とりわけ、1998年前後から紙面に登場する歴史修正主義的な論説委員・朝倉敏夫は「読売新聞の阿比留瑠比」とも呼べる存在で、「慰安婦」はある日本の新聞による悪質な歴史の捏造で加熱したと、まさに根拠のない事実のねつ造を繰り返し紙面に反映させています(最後はどうやら「本社副主筆」にまでなっている。http://info.yomiuri.co.jp/yri/profiles)。1992-2007年の「慰安婦」関連社説32件もすべてピックアップしました。社説でもその違いを追うことができます。
wamでは、「読売新聞によってねじ曲げられた歴史認識をただし、事実を伝える市民の使命を果たすべく」、このミニ企画展を制作しました。
                        wam運営委員一同