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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

第16回 特別展連続セミナー(第7回-第9回)

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第16回特別展連続セミナー
朝鮮人「慰安婦」の声をきく
~日本の植民地支配責任を果たすために

場 所:wamオープンスペース
参加費:各回800円(会員割引あり)
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第7回 2020年1月19日(日)15:00-17:00

差別される在日と共に歩み見えてきた戦後日本
ゲスト:田中宏さん(一橋大学名誉教授)

日本全国には68校の朝鮮学校があります。その起源は日本の敗戦で植民地支配から解放された朝鮮人が、皇民化政策で奪われた言葉や文化、歴史を取り戻すために設立した自主学校でした。これに対して日本政府は戦後一貫して、差別政策をとってきました。朝鮮学校の生徒たちは高校無償化排除を5地裁に提訴しましたが、東京・大阪では敗訴が確定しました。

田中宏さんは、1960年代、アジア文化会館でアジア人留学生たちに出会って以来、在日外国人の反差別、権利伸長運動に取り組んできました。彼らともに歩むことで見えてきたグロテスクな「日本の戦後」と現状、そして今後の課題について語っていただきます。

たなかひろし:1937年生まれ。アジア文化会館、愛知県立大学、一橋大学、龍谷大学を経て現在、一橋大学名誉教授。著書に『虚妄の国際国家・日本』(風媒社、1990年)、『戦後60年を考える 補償裁判・国籍差別・歴史認識』(創史社、2005年)、『在日外国人――法の壁、心の溝(第三版)』(岩波書店、2013年)など。 共著に『戦後責任』(岩波書店、2014年)、『「共生」を求めて』(解放出版社、2019)など。
共著に『戦後責任』(岩波書店、2014年)、『「共生」を求めて』(解放出版社、2019)など。


第8回 2020年2月23日(日)15:00-17:00

金子文子の朝鮮体験と反天皇制の思想
ゲスト:鈴木裕子さん(女性史研究家)

「大逆罪」によって死刑判決が下された後、1926年、獄中で縊死した金子文子。その死から1世紀近くが経ちますが、敗戦から74年も経った現在の日本でも、いまだに天皇の植民地支配や侵略戦争の責任を問うことは、タブーであり続けています。金子文子は少女期を朝鮮で暮らし、朝鮮人への苛酷な仕打ち、虐待、搾取、酷使を目の当たりにして、植民地支配と天皇制の矛盾を鋭く衝いた女性でした。わずか23年の人生でしたが、私たちが金子文子に学ぶ意義は益々大きくなっています。今回は鈴木裕子編『新装増補版 金子文子 わたしはわたし自身を生きる』(梨の木舎、2013年)を基に、日韓で関心が高まっている金子文子に迫ります。

すずきゆうこ:女性史研究家で早稲田大学ジェンダー研究所招聘研究員、同大学文学学術院教員。専門は、山川菊栄、平塚らいてう、市川房枝などの研究をはじめ、労働運動史、日韓現代史、「慰安婦」問題、フェミニズム、天皇制など。著書に『フェミニズムと戦争』マルジュ社、1986年、『女性史を拓く』未來社、1989年、『天皇制・「慰安婦」・フェミニズム』インパクト出版会、2002年、『天皇家の女たち』社会評論社、2019年、など。


第9回 2020年4月5日(日)15:00-17:00

世界は植民地主義の過去にどう向き合っているのか~「植民地責任」の射程~
ゲスト:永原陽子さん(京都大学教員)

「戦時性暴力」と位置づけられる日本軍「慰安婦」制度ですが、朝鮮や台湾からの女性の動員は、日本の植民地支配と切り離すことはできません。「慰安婦」や徴用工の課題など、植民地主義の責任と戦争責任の両方がからむ東アジアの状況は、世界史的な脱植民地化の文脈ではどう見えてくるでしょうか?

東西冷戦終結後、英仏独などの旧帝国、あるいは「黒人奴隷制」に対する責任が問われる米国も、植民地主義の過去に向き合うことを求められてきました。長い支配下での暴力の事実をどう認め、どう責任を果たすのか一。『「植民地責任」論』から10年、この間に世界各地でおこっている植民地支配の過去をめぐる議論についてうかがいます。

ながはら・ようこ:東京外国語大学アジア・アフリ力言語文化研究所教授を経て、現在、京都大学大学院文学研究科教授。専門はナミビア・南アフリ力を中心とする南部アフリ力地域の歴史、脱植民地化の世界史的考察、特に植民地暴力とジェンダー化された権力との関係について研究している。編著書に『「植民地責任」論一脱植民地化の比較史』青木書店、2009年、『人々がつなぐ、世界史』ミネルヴァ書房、2019年ほか。