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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

wam第9回特別展オープニング・シンポジウム フィリピン・立ち上がるロラたち~フェリシダット・レイエスさんをお迎えして~

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  wam第9回特別展オープニング・シンポジウム
     フィリピン・立ち上がるロラたち
 ~フェリシダット・レイエスさんをお迎えして~
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wam第9回特別展の開催を記念し、フィリピンからロラ(タガログ語で「おばあさん」)をお招きして、オープニング・イベントを企画しました。
日時:7月2日(土)14:00~17:30
場所:早稲田奉仕園リバティホール(地図
参加費:1000円
【証言】フェリシダッド・レイエスさん
マスバテ島出身。1943年、14歳のとき「おもちゃがもらえる」と教室で言われ、担任に番号札を渡された。その後、日本兵に駐屯地へ連れて行かれ強かんされた。
【講演】
●中野聡さん「マニラ戦の実像と記憶」
一橋大学教員、アジア・太平洋の国際史を米国・フィリピン・日本の関係を軸に研究。著書に『歴史経験としてのアメリカ帝国――米比関係史の群像』(岩波書店、2007年)ほか。
●レチルダ・エクストレマドゥラさん(Rechilda A. Extremadura)「フィリピン『慰安婦』問題アップデート」
人権NGOリラ・ピリピーナのコーディネーター。日本軍性奴隷制とレイプの被害者の人権回復のためにロラたちに寄り添い、パワフルな闘いを続けてきた。
【上映】『KATARUNGAN―ロラたちに正義を!』(竹見智恵子/2011年)予告編(21分)
※ 以下は、特別展のご案内です。
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第9回特別展
フィリピン・立ち上がるロラたち
~日本軍に踏みにじられた島々から~
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会期:2011年7月2日(土)~2012年6月17日(日)
「『慰安婦』被害者は名乗り出て…というラジオからの呼びかけを聞いた時、全身に衝撃を覚え、血が白くなったように感じました」と語ったのは、フィリピンで初めて名乗り出たマリア・ロサ・ルナ・ヘンソンさん。彼女の告発から、400人あまりのロラ(タガログ語で「おばあさん」)たちが立ち上がりました。
大小7000あまりの島があり、人が住む島は1000もあるという群島国家・フィリピン。第二次世界大戦中、日本軍はアメリカ軍とフィリピンの人々の抗日運動に追い詰められながらも、おびただしい数の慰安所、強かん所を作り、戦場強かんを繰り広げました。
このフィリピン版の三光作戦(殺し尽くし、焼き尽くし、奪い尽くす)とも言える実態が、近年の証言の聞き取りや資料の発掘で明らかになってきました。そこにはロラたちの勇気ある名乗り出と闘いが決定的な役割を果たしました。
今回の特別展では、ロラたちを支援してきた市民グループや調査・発掘に取り組んできた研究者の方々の力を借りて、フィリピンでの性暴力被害の全体像と最新情報をお伝えします。また米軍基地撤収後も続く派遣米軍によるレイプ事件、日本からの開発・援助という名の「経済侵略」、買春ツアー等に対する女性たちの新たな闘いにも注目します。
【主な展示内容】
●スペイン・アメリカの植民地時代と日本軍占領下のフィリピン
●日本軍による住民被害と民衆の抵抗運動
●フィリピンの慰安所、性暴力被害マップ
●ルソン島・レイテ島・パナイ島・セブ島などの被害実態
●被害女性たちの証言と正義を求める闘いと支援運動
●ロラたちのキルト、手工芸品、写真など
●悲惨な戦場を語る元日本軍兵士の証言
●フィリピンの戦後(戦犯裁判、損害賠償請求裁判、米軍基地下の性暴力、買春ツアー、「開発」による環境破壊、貧困など)