大丈夫、wamは元気です!
池田恵理子(wam館長)
10月5日、wamに「爆破する 戦争展示物撤去せよ 朝日赤報隊」と書かれたハガキが届きました。折しも、5月にユネスコの「世界記憶遺産」での「日本軍『慰安婦』の声」の登録申請が報じられてから、wamを名指した記事やコメントが産経新聞などに載り始め、あれこれと対策を考えていたころでした。
今回の申請は、韓国の呼びかけで日本を含む8ヵ国の市民団体が国際連帯委員会を作って準備してきましたが、その「日本委員会」の代表はwam事務局長の渡辺さんです(詳しくは「wamだより」33号参照)。記憶遺産の報道では、「慰安婦」問題に向き合う者たちを「自虐」「反日」とし、wamが「反日」の“首謀者”だと言うような書き方です。産経新聞やそのネットニュースの杉田水脈・元衆院議員や高橋史朗氏、櫻井よしこ氏らのコラムでの名指しは、「wamを攻撃せよ」とのメッセージだと語る人もいました。
wamでは「いつもの嫌がらせか」という気持ちがありました。しかし、「爆破する」というのは明確な脅迫です。弁護士と相談し、すぐに警察に被害届を出しましたが、ハガキから手掛かりは出てきていません。私たちは会議を開き、安全対策を検討しながら、こうしたハガキの背景にある報道の在り方について考えてほしいと、産経新聞をはじめ、在京の新聞・通信各社へ呼びかけ文を送ることにしました(p9参照)。
この秋は韓国、フィリピン、インドネシア、東ティモールの被害女性や支援団体、アメリカのCWJC(「‘慰安婦’正義連帯」)などが来日して、「慰安婦」問題の解決に向けた活動が活発に展開されました。そのような場でwamの近況を報告すると、参加者からはたくさんの励ましの言葉が寄せられました。韓国の李容洙さんは真っ先に、「大丈夫かい? とても心配だよ」と声をかけてくれたひとりです。全国の会員からもメールが届き、「wamへの応援のつもりで会員になります」という方もいて、一同、深く感謝しています。
呼びかけ文にも書いた通り、言論を暴力や人権侵害に結び付けない努力こそが、今私たちに求められています。wamは皆さまからの支援に応え、これからも元気に活動を続けます。