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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

「wamだより」VOL.39(2018.7)

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【巻頭ページ】

8.14 日本軍「慰安婦」メモリアル・デーにご参加を!

池田恵理子(wam 名誉館長)

6月の大阪北部地震と7月の西日本豪雨で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。これからはますます暑く、熱い季節の到来ですね。災害からの復旧には辛すぎる酷暑が続くと思いますが、くれぐれもご自愛ください。

韓国の金学順さんが初めて「慰安婦」被害を名乗り出たのは1991 年8 月14日。この日を忘れないように国連の記念日にしよう…という「8.14メモリアル・デー」の運動が5年前から始まり、日本でも毎年各地で連帯イベントが開かれてきました。

「慰安婦」支援NGOの全国組織である「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」では、この5 月の会議で今年の8.14の共通タイトルを、「金学順さんから始まった#MeToo」と決めました。これが決まるまでの議論で、「慰安婦」問題を取り巻く各地の状況が垣間見えたように思います。つまり、「『慰安婦』問題は終わった感が強くなって、人々の関心が薄れている」「この問題と現代の性暴力をどうつなげていくか」「若い世代に広げるには?」「日本政府の嘘を暴かなくては…」「マスコミに理解者を増やさなくては…」などなど。

どれも大きな課題です。それらを意識しながら、各地で取り組みを進めていくことになりました。

wamでは8 月14 日にエントランスで「追悼のつどい」を開きます。この1 年間に亡くなられた被害女性の名を読み上げ、ポートレイトに白い花を添えていくのです。その後はチャペルに場所を移して、石田米子さん(「山西省・明らかにする会」共同代表)に性暴力被害の証言の聞き取りについて、講演をしていただきます。こうした連帯イベントは、東京、札幌、富山、名古屋、大阪、神戸、広島、北九州…などでも行われます。みなさま、ふるってご参加ください。

それから大事なお知らせがもうひとつあります。この4 月からwam の館長に、渡辺美奈・元事務局長が就任いたしました。国内外の業務実態に相応しい世代交代です。私は「名誉館長」となりましたが、これまでと変わらずwam の仕事に全力で取り組んでいきます。館長ともども、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。