主な内容
「アルゼンチン国家テロリズムに抗する市民運動の展開」石田智恵(早稲田大学法学部准教授)
「5月広場の母たち」ノラ・コルティーニャス(五月広場の母 創設者路線)
「加害者こそが侮辱に値する」グラシエラ・ガルシア・ロメロ(性暴力被害サバイバー)
「真実と正義のプロセス:アーカイブの貢献と記憶をつくる方法」ベロニカ・トーラス(メモリア・アビエルタ代表)
質疑応答・資料(年表、キーワード)他
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)編
「戦争と性」編集室 2020年7月発行
価格:770円(内税70円)
頁数:A5版86頁
2018年10月、アルゼンチンから3人の女性を招いた国際シンポジウム「アルゼンチン 正義を求める闘いとその記録 性暴力を人道に対する犯罪として裁く!」の記録集が完成しました。活発だった質疑応答も含め、スペイン語での発言をすべて原語で起こして、丁寧に日本語に訳された決定版です。
軍事独裁政権時代(1976年~83年)に、秘密拘禁施設で性暴力被害を受けたグラシエラさん、ある日突然いなくなった息子を探し「五月広場」に立ち続けたノラさん、そしてそれらの記録を管理するベロニカさん。ゲストのお話はすべて具体的です。とりわけ、秘密拘禁施設で性暴力被害を受けたグラシエラさんの証言には、あまりに組織的なその方法に衝撃を受けますが、40年後にその加害者を国内の裁判所で人道に対する犯罪で訴追する姿に、また、その闘いを支援するアルゼンチンの市民の活動に、「正義を求める闘いは可能なのだ」と目を開かされます。
「記憶・真実・正義」をスローガンとするアルゼンチンの取り組みは、日本軍「慰安婦」として被害を受けた女性たちの尊厳の回復を求めてきた者たちにとっても、「正義」とは何か、「和解」とは何かを考えるヒントがたくさんあります。人権や性暴力の課題に取り組む方はもちろん、すべての方に広く読んでいただきたいブックレットです。
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