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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

【東京都】国立市議会「慰安婦」意見書(2009.12.18 可決)

日本軍「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書

 かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、すでに64年経ちますが、いまだに人々の戦争被害の傷は癒されていません。そして直接の被害者のみならず、その子孫も親世代が傷つき癒されていないことで傷ついています。日本軍「慰安婦」問題は、その象徴的な被害です。

 2007年にはアメリカ、オランダ、カナダ、EUなどの議会において、日本政府に対し、「慰安婦」問題の責任を認め、公的に謝罪することなどを求める決議が採択されています。2008年には、フィリピン議会の下院外交委員会並びに韓国及び台湾の議会でも採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されています。国際社会は「慰安婦」問題を現在に通じる重大な人権侵害と認識し、日本政府が誠実に対応することを要請しています。

 「慰安婦」問題に誠実に対応することは、戦争を遂行するために女性の性が利用されるという人権侵害が、二度とないようにするという日本政府の世界への意思表示となります。そして、アジアの人々の戦争被害の傷を癒し、和解して平和的に共存していく道筋をつくることになります。

 被害者の訃報が相次ぐ中、被害者の存命中に納得できる解決が急がれます。

 よって、国立市議会は、国会及び政府が、1993年の河野内閣官房長官談話に基づき、次の事項について誠実な対応をされるよう強く要請します。

1 被害者出席のもと、国会で公聴会を開くこと
2 「慰安婦」問題の責任を認めて、政府は公的に謝罪すること3 「慰安婦」問題の解決のため、政府は被害者の名誉回復を図ること

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 平成21年12月18日
東京都国立市議会
提出先 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣、外務大臣、文部科学大臣