「慰安婦」問題について、国が誠実な対応をすることを求める意見書
私たちは、一人一人が大切にされる平穏な社会を願っています。かつての戦争において、日本は近隣諸国の人々に多大な被害を与えてきました。戦後64年が経過しても未解決の問題があります。戦時中に「慰安婦」とされた女性たちは、いまだに心身の深い傷を抱えておられたり、無念のうちに次々と亡くなっていかれます。
日本政府は、1993年「河野官房長官談話」を発表し、おわびと反省の気持ちをあらわしました。そして第一次、第二次調査を経て「我々は、このような歴史の真実を回避することなく、むしろ教訓として直視し、歴史研究、歴史教育を通じ、長く記憶にとどめ、同じ過ちを繰り返さないという固い決意を表明する。そして今後とも、民間の研究を含め、真剣に検討すべきものと考える」旨の表明がなされています。
この問題で「国連人権機関」からは、日本政府に反省を求める勧告が数多く出されています。また、2007年より、アメリカ下院議会はじめ、6つの国や市、EU連合から、日本政府が「慰安婦」問題の責任を認め、公的な謝罪をすることを求める決議が採択されています。そして、日本の地方議会での「国へ誠実な対応を求める意見書」は、現在まで20市議会で可決されています。
今、被害者の訃報が相次ぐ中、納得できる解決を急がなければなりません。日本政府の世界への意思表示は、アジアの人々の戦争被害の傷を癒し、和解し、平和的に共存していく道筋をつくることにもなります。よって『非核・平和都市宣言』をしている西東京市議会は、下記事項について「国が誠実に対応されるよう」強く求めます。
1 河野談話に矛盾しないよう、「慰安婦」問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復
に努め、誠実な対応を図ること。
2 「慰安婦」問題の歴史を踏まえ、次の世代に事実を伝えるよう努めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成22年6月21日
西東京市議会議長 浅 野 高 司
提出先 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣