日韓両国の新たな百年を創る決議
日本と朝鮮半島は、古代より、常に緊密な関係があった。とりわけ古代において、わが国の基盤が形成される過程において、大陸の文化・宗教・思想・技術・政治機構などが朝鮮半島を通して伝えられ、多大な影響を受けたことは疑いない事実である。
以降、日本と朝鮮半島は官民ともに、さまざまな交流を続けてきた。
近代になり、明治維新を経て欧米列強に並ぶことを第一義としたわが国は、1910年8月、韓国併合をするに至り、その後の戦争がもたらした傷は、今日なお癒されていない現実がある。
こうした歴史的経過の中、日本政府は平成5年(1993年)8月、当時の河野洋平官房長官が「いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。そのような気持ちをわが国としてどのように表すかについては、今後とも真剣に検討すべきもの」との談話を発表し、以降、政府としてその考えを継承している。
平成19年(2007年)7月には、アメリカ下院が「日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議」を採択した。これに続き、オランダ、カナダ、EU議会などでも同種の決議が採択された。
また、平成21年(2009年)7月には、国連の女子差別撤廃委員会が「締約国が慰安婦の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うこと」を日本政府に勧告した。
本年は韓国併合100年に当たる。
この際、本年を日韓両国の新たな未来を創造すべき節目の年と位置づけ、これまで岡山市として続けてきた官民あげての友好交流都市との交流を通して、互いの友好の絆を一層強いものとする。同時に、過去の歴史とそれにつながっている現在の課題を直視し、そこから得られる教訓を次世代に生かすとともに、慰安婦問題の解決など現在なお残る課題について、解決に向け最大限の努力を進めていくことを決意し、行動する。
以上決議する。
平成22年3月19日
岡山県岡山市議会