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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

【北海道】小樽市議会「慰安婦」意見書(2010.6.21 可決)

「慰安婦」問題について政府の誠実な対応を求める意見書

 かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、既に65年がたとうとしていますが、いまだに人々の戦争被害の傷はいやされていません。日本軍「慰安婦」問題は、その象徴的なものです。

 2007(平成19)年7月にはアメリカ下院議会が「日本軍が女性を強制的に性奴隷にした」ことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議を採択しました。そして、アメリカの議会決議に続いて、オランダ、カナダ、EU、フィリピン、韓国、台湾などでも同種の決議が採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されています。

 しかし日本政府は、これらの決議採択を受けても公式に謝罪をしていません。これは、1993(平成5)年の河野洋平内閣官房長官の談話と矛盾する態度です。

 日本政府が「慰安婦」の被害にあった女性たちに対して、いまだに公式の謝罪や補償もせず、真相究明をしていないばかりか、教科書からもその記述を消し去ろうとしていることに対して、世界各国で批判の声が高まっています。

 よって、国会及び政府においては、河野談話に基づき、「慰安婦」問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復に努め、下記の事項のとおり誠実に対応し、早期に解決するよう強く要望します。

1 1993(平成5)年の河野洋平内閣官房長官談話を弱めるような発言に対して政府は公的に反論し、河野談話をより具体的に発展・実現するような政策をとること。
2 中学・高校の歴史教科書に日本軍が行った慰安婦制度を載せ、次世代に歴史の事実を正しく伝え、人権・平和の大切さを教えること。
3 「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」を審議し、早期にこの法律を成立させ、公的責任を認め、調査・審査機関を作り、未公開資料を公開し、謝罪するとともに、過去の経過を踏まえた上で賠償責任を果たすこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。

平成22年6月21日
小樽市議会