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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

【韓国】全羅北道全州(チョンジュ)市「慰安婦」決議(2010.1.27 採択)

日本軍「慰安婦」問題の解決を促すための決議文

全州市議会は、わが国がかつて日帝によって不法に強占され、植民地として屈辱的な生き方を強いられた歴史を記憶しており、特に多くの女性たちが日本軍「慰安婦」として強制動員され、性奴隷として人権を蹂躙された歴史を忘れていない。

全州市議会は、この20年間日本軍「慰安婦」問題の解決に向けて国内はもちろん国際的な関心を呼び起こし、活動してきた被害者たちと諸民間団体の努力を支持・激励するとともに、この間日本政府に謝罪と法的な賠償、正しい歴史教育などを要求・勧告してきたラディカ・クマラスワミ国連人権委員会女性暴力問題特別報告官の勧告や、ゲイ・マクドゥーガル国連人権小委員会特別報告官の戦時組織的強姦、性奴隷制、およびそれに類する慣行に関する報告書、その他数次にわたって日本政府に法的責任を勧告してきた国連諸機関の決議やILO基準適用委員会専門家委員会の報告書などを積極支持する。

また米国、欧州連合、オランダ、カナダ、台湾などの諸国の議会において採択された、謝罪と法的な賠償、歴史教科書への記録などを要求する決議文と、2008年10月に採択された大韓民国国会における決議を支持し、

2008年3月の日本の兵庫県宝塚市議会における日本政府と国会に日本軍「慰安婦」問題の誠実な解決を要求する決議の採択を嚆矢として、東京都清瀬市議会、札幌市議会の決議採択、そして2009年にも福岡市議会、大阪府箕面市、東京都三鷹市、東京都小金井市、京都府京田辺市議会において採択された「慰安婦問題に対する日本政府の誠実な対応」を要求する請願と意見書を歓迎する。

しかし全州市議会は、日本軍「慰安婦」被害者たちの要求と国際社会の勧告を受け入れずにいる日本の政府と国会の態度に対する深刻な憂慮と、さる12月24日になされた日本政府の99円補償発表に対する怒りと遺憾の意を表明するとともに、

一日も早く日本政府が国際社会の勧告を履行して日本軍「慰安婦」被害者の名誉と人権を回復することを要求する64万全州市民の意志を代弁して、次のように決議する。

1. 日本政府は1930年代から1945年の終戦に至るまで、日本帝国主義軍隊がわが国とアジア太平洋地域の幼い少女と女性たちを強制的に日本軍の性奴隷にした反人倫的犯罪の事実について、公式に認め公式謝罪するとともに関連資料を全面的に公開し、真実を究明せよ。

1. 日本政府は公式謝罪にともなう法的責任として、日本軍「慰安婦」被害者の名誉回復と賠償実現のための法制度を整備し、担当機関を設置せよ。

1. 日本政府は日本軍「慰安婦」制度の真実と反人権性を歴史教科書に正しく記録して、二度と類似する犯罪が起こらぬよう現世代と未来の世代に教育し、女性の人権確立と、アジアと世界の平和に貢献せよ。

1. 日本の議会は、被害者が一人でも多く生存している時に、日本軍「慰安婦」制度の真実究明と被害者の人権回復、現実的な法的賠償の実現のための特別法を迅速に制定せよ。

1. 大韓民国政府は米国、国連をはじめとする国際社会と、日本の市民、団体の良心の声に耳を傾け、自国民の人権回復と正しい歴史の定立のために、日本政府に法制度の整備と担当機関の設置を要求する外交交渉を早急に開始せよ。

1. 大韓民国国会は生存者の余生が長くないという切迫性を認識し、日本の議会が日本軍「慰安婦」問題の解決のための特別法を一日も早く制定するよう、両国の議会間の交渉を早急に開始せよ。

1. 全州市議会は日本軍「慰安婦」制度の反人倫性を直視し、被害者の名誉と人権が回復されるよう、持続的な関心と努力を傾ける所存であり、女性の人権と平和の価値を実現するために力を尽くすことを決議する。

上記のとおり全州市議会は被害者および市民とともに、日本軍「慰安婦」問題が正しく解決され、被害者の名誉と人権が一日も早く回復されるよう、持続的な関心と努力を傾ける所存であり、日本軍「慰安婦」被害者が経験した犠牲と苦しみが後の世代には繰り返されず、平和と人権が保障されるよう、記憶し教育することに努めることを誓う。

2010.1.27
全州市議会議員一同

〔翻訳:韓国挺身隊問題対策協議会〕