「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書
かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、64年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷はいやされていない。
平成19年(2007年)7月には、アメリカ下院議会が、「旧日本軍が女性を強制的に性奴隷としたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議」を採択している。
そして、アメリカの議会決議に続いて、オランダ、カナダ、EU議会などでも同種の決議が採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されている。
わが国においては、平成7年(1995年)7月19日、日本政府のイニシアチブにより、「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)が設立され、国民から寄せられた募金総額5億6500万円余は、フィリピン、韓国、台湾における285名の元「慰安婦」に「償い金」として届けられたという経過があった。
しかし、平成21年(2009年)7月には、国連女性差別撤廃委員第44会期の最終見解においても、第37項では、「慰安婦」の状況に対処するために、日本政府がいくつかの措置を講じたことに留意するが、第2次世界大戦中に被害者となった「慰安婦」の状況の恒久的な解決策が見いだされていないことを遺憾に思い、学校の教科書からこの問題への言及が削除されていることに懸念を表明するとしており、さらに第38項においては、日本政府が「慰安婦」の状況の恒久的な解決のための方策を見いだす努力を早急に行う事への勧告が改めて表明された。
よって、国においては、「慰安婦」問題の真相解明、被害者の尊厳回復とともに、女性に対する暴力など、今日なお存在する女性の人権侵害の解決に向け、誠実な対応をされるように要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
2010年(平成22年)6月28日
高槻市議会