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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

【京都府】八幡市議会「慰安婦」意見書(2010.9.29 可決)

日本軍「慰安婦」問題について政府の誠実な具体策を求める意見書

 すでに戦後65年が経過するが、日本国はこれまで、あの戦争への歴史的反省を一度も行ってはいない。暴力の究極の形である戦争は、国内外の多くの人々の命とその未来を奪った。なかでも女性の性と尊厳を蹂躙する日本軍「慰安婦」制度は、その事実を半世紀に及ぶ間、歴史から抹殺されてきた。被害者の勇気ある告発により、日本政府は2回の調査の結果、この問題に関して日本軍の「関与」と「強制性」を認める河野官房長官(当時)「談話」(1993年)を公にしたが、それに基づく具体的施策は無いまま今日に至っている。

 国際社会は、国連人権委員会の勧告をはじめとして、近年ではアメリカ、オランダ、カナダ、EU、フィリピン、韓国及び台湾の議会においても、日本政府に対する日本軍「慰安婦」制度被害者への公式謝罪と賠償を求める決議が相次いでいる。国内では、2008年3月以降、この問題に対する早期解決を求める意見書が29市議会で決議されている。

 京都南部に位置する八幡市は、その当初から「平和」を重要なテーマとし、市民憲章にも「いっさいの暴力を認めず 平和をつらぬく」としている。私たちが真の平和を求めるためには、あの戦争をきちんと反省し、反省に基づく具体的取り組みをすることが不可欠である。日本軍「慰安婦」問題は、いまだ真の解決はされておらず、日本政府は真相究明を行い、被害者の公的謝罪と賠償を求める声に耳を傾けることが急務である。また、未来への取り組みとして、戦争の歴史的事実とその反省を次代に伝えることも必要である。

 15歳であった日本軍「慰安婦」の被害女性はすでに80歳の高齢となり、残された時間は僅かである。「慰安婦」問題について、一刻も早く日本政府が具体的施策を行うことを望むものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年9月29日
八幡市議会

提出先 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 厚生労働大臣