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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

【予告】第16回特別展は3月1日スタート!

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wam 第16 回特別展
朝鮮人 「慰安婦」の声をきく
日本の植民地支配責任を果たすために

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展示期間:2019 年3 月1 日(金)~2020 年3 月末
*3月2日にはオープニング・トークを開催します

「『慰安婦』問題は解決済み」「強制連行はなかった」と事実の否定を繰り返す日本政府とメディア、それを鵜呑みにする日本人は、そもそも、被害者の証言に耳を傾けてきたのでしょうか? 日本の植民地支配・侵略とは何だったのかを学んだことがあるのでしょうか?

東アジアに生きる私たちの「いま」は、日本がアイヌモシリ・琉球を日本に組み込み、朝鮮・台湾を植民地とし、アジア・太平洋地域を侵略した歴史と切り離せないものです。「解放後」の朝鮮――南北分断、朝鮮戦争、開発・軍事独裁――も当然、日本と無関係ではありえません。しかし、近現代の歴史感覚が抜け落ちた日本社会では、そのつながりに目を向けないまま、「植民者」「支配者」の意識が続いています。

今回の特別展は三・一独立運動100年の日にスタートします。植民地支配の責任を果たそうとせず、日本軍「慰安婦」制度の事実を認められない社会を形作る、いまも続く日本の植民地主義を問います。

 

主な展示内容

朝鮮人「慰安婦」の声
・朝鮮民主主義人民共和国および大韓民国の政府に登録された「慰安婦」被害者の連行地・連行先データ公開
・公開証言した朝鮮人「慰安婦」160人の声
・朝鮮人「慰安婦」の被害と戦後

日本の朝鮮侵略・植民地支配と日本軍「慰安婦」制度
・日本の朝鮮侵略年表と収奪・差別の構造
・朝鮮に輸出した近代公娼制と軍隊・警察
・いまも続く―日本の植民地主義と差別

朝鮮の女性たちの闘い
・韓国の民主化と女性運動
・ハルモニとともに―支援運動とその広がり
・逆なでする日本政府と暴言


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wam第16回特別展オープニング・トーク
女が問う  日本の植民地支配責任

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日 時:2019年3月2日(土)14:00~16:30
場 所:AVACOチャペル(wamと同じ階)
参加費:1000円(wam会員は800円、当日の入館料込み)

「日本が明治維新以来なしとげた「近代化」は、すなわちアジア侵略の歴史であり、この100年の間を生きてきた女たちもまた、侵略に加担したアジアへの加害者であった。この事実を、私たちは今ようやく闘うアジアの女たちから学びつつあります」。

これは1977年3月1日付の「アジアと女性解放 私たちの宣言」のはじまりの文章です。wamの設立を遺言として残した松井やよりさんも署名人の一人でした。

この40年余りの間に、アジアは目覚ましく変化しました。とりわけ、1990年代に日本軍の性奴隷にされた女性たちが名乗り出て日本の責任を告発したことで、男性たちの記録からは見えてこなかった「慰安婦」被害の研究も格段に進みました。その一方で、朝鮮半島の人びとに与えた被害に向き合おうとしない日本政府・社会の態度からは、日本の植民地主義が脈々と続いていることを思い知らされます。

オープニング・トークでは、日本の植民地支配の実態を明らかにし続ける、日本と韓国に住む2人の女性をお招きします。

ゲスト紹介

宋連玉さん 「植民地下の朝鮮女性たち」
日本が朝鮮半島に移植した近代公娼制度と日本軍「慰安婦」の実態、植民地主義に抗し、独立運動に参加した朝鮮女性たちの闘い――。日本の植民地支配のもとでのさまざま朝鮮女性についてお話しいただきます。

ソン・ヨノク:青山学院大学名誉教授、文化センター・アリラン館長。著書に『脱帝国のフェミニズム』(有志舎)、共著に『軍隊と性暴力 朝鮮半島の20世紀』(現代資料出版)、論文に「朝鮮史研究から見た日本軍「慰安婦」問題」(朝鮮史研究会論文集、2013年10月)ほか多数。

 

野木香里さん 「日本の朝鮮侵略・植民地支配とは」
親日問題、強制動員問題などの過去清算運動と研究、展示、教育を続けている韓国の市民団体、民族問題研究所・植民地歴史博物館の活動紹介を通じ、日本の朝鮮侵略・植民地支配の構造と実態に解説していただきます。

のぎ・かおり:一橋大学博士課程修了、民族問題研究所・植民地歴史博物館(韓国・ソウル)研究員。共著に『視覚表象と集合的記憶』(旬報社)、論文に「朝鮮における婚姻年齢の制定と植民地支配」(朝鮮史研究会論文集、2014年10月)ほか。