【展示期間】2010年7月3日(土)- 2011年6月26日(日)
なぜ「女性国際戦犯法廷」は「責任者処罰」を求めたのでしょうか。なぜ「責任者処罰」でなければならなかったのでしょうか。それは「真の和解や癒しは、被害者・サバイバーの権利と正当な利益が確認され、受け入れられるまではあり得ない」(女性国際戦犯法廷法律顧問のテオ・ファン・ボーベン)という、ゆるぎない信念があったからです。
日本政府や司法、国際機関が日本軍「慰安婦」制度を裁いてこなかったことと、被害女性の強い思いから、司法を民衆の手に取り戻すために「法廷」は開かれたのです。
あれから10年―。私たちは問題解決のために何を実現できたのでしょうか? たしかに日本政府や国会は動かず、バックラッシュは勢いを増しています。しかし、国際機関の勧告、欧米やアジア各国の議会の決議、世界の紛争地での民衆法廷など、海外の動きには目を見張るものがあります。日本国内でも地方議会の意見書可決、戦争の記憶と継承の取り組みなどの運動は広がりをみせています。女性たちの声と連帯の力は確実に世界を変えているのです。
開館5周年を迎えるwamの第8回特別展では、「法廷」とその後の10年を振り返り、さらに前進するために私たちに何ができるのかを考えます。