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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

【3.29】wamセミナー 日本軍「慰安婦」の聞き取りとその記録(2)

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wamセミナー 日本軍「慰安婦」の聞き取りとその記録(2)

ロラたちの闘いをつたえる

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フィリピンの日本軍「慰安婦」の女性たちによる正義を求める闘いをおさめたドキュメンタリー映画に、『カタロゥガン!ロラたちに正義を!』(2011年制作)があります。

その監督をつとめた竹見智恵子さんがロラたちに出会ったのは、1992年。日本で裁判を提訴するためにマニラに集っていたロラたちは、心細そうに会場の隅に身を寄せ合い、弁護士の問いかけにもしどろもどろで答えていたそうです。そのロラたちが1年もしないうちに街頭で声をあげ、被害者からサバイバーへ、そしてアクティビストへと、たくましくチャーミングに変化していきました。

そんなロラたちの姿を映像にのこそうと竹見さんが思いたったのは2010年、その撮影と編集を担ったのが中井信介さんでした。セミナーではお2人をお迎えし、ロラたちと一緒に過ごした日々、映像には残されていないつぶやきとともに、ロラたちの闘いを伝え、記録を残していく思いについてお話しいただきます。

日 時:2026年3月29日(日) 14:00~16:30
お 話:竹見智恵子さん、中井信介さん
会 場:wamオープンスペース(定員40名/予約・先着順)
参加費:1000円(wam会員。非会員は1200円)
*オンラインは翌日夕方以降のオンデマンド配信(1か月)になります。

お申し込みはGoogleフォームで。wam事務局にメールをくださればURLをお送りします。会場参加のみ電話での申し込みも可能です。


【ゲスト紹介】

たけみ・ちえこ:1939年生まれ。コピーライターを経てジャーナリストに。教育や環境などの市民運動に携わり、1987年よりフィリピン・レイテ島の農村を支援するNGO「水牛家族」主宰。レメディオス・フェリアス『もうひとつのレイテ戦: 日本軍に捕らえられた少女の絵日記』(ブカンブコン、1999年)を出版するために尽力した。

なかい・しんすけ:1967年生まれ。1993年からフィリピンのスラム街や米軍基地跡地の写真を撮り始め、新聞や雑誌で発表する。1999年からビデオ取材を始め、TBSの報道特集やNews23などで発表。フィリピン、韓国、マレーシアなど、アジア各地に足を運び、環境News23張闘争などと闘う人々を捉える映像を制作する。


【企画主旨】wamセミナー 日本軍「慰安婦」の聞き取りとその記録

1990年代に日本軍の「慰安婦」として性暴力被害を受けた女性たちが語り始めてから、30年以上が経ちます。この間、歴史を否定する政治家は後を絶たず、第2次安倍政権以降の日本政府は、政府として日本軍性奴隷制の事実さえ否定し、その見解を公的に主張するようになりました。一方で、何度も来日して、日本政府が事実を認めて謝罪と賠償をするよう語ってくれた女性たちも、その多くがこの世を去りました。

戦争での被害や加害の「記憶の継承」は世界的な課題ですが、記憶をどうつないでいくのかは、どの国・地域でも試行錯誤が続いており、wamもまた例外ではありません。日本軍から性暴力被害を受けた女性たちの「あったことを、なかったことにしないで」という遺言のような叫びを心に留めながら、性暴力の記録をどうアーカイブズとして公開できるのか、議論と検討を重ねています。

2005年の開館から20年、wamでは日本軍の「慰安婦」にされた女性、一人ひとりに出会えるように「証言パネル」を制作してきました。このような展示活動は、日本軍の「慰安婦」にされた女性たちの声を聞き取る作業を続けてきた、たくさんの支援者、研究者、ジャーナリストに支えられてきました。wamセミナー「日本軍『慰安婦』の聞き取りとその記録」では、被害証言を聞き取る作業を続けてきた方々から、お話を聞く機会をつくっていきます。