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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

【特別セミナー】なぜ元兵士は性暴力を語れないのか~大岡昇平『レイテ戦記』をめぐって

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  wam フィリピン展 特別セミナー
    なぜ元兵士は性暴力を語れないのか
      ~大岡昇平『レイテ戦記』をめぐって~
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アジア太平洋戦争でフィリピンの戦場に投入された日本兵は63万人にのぼり、そのうち50万人が亡くなりました。しかもその8割が餓死と病死によるものといわれ、人肉食まで起こった惨憺たる戦場――。追いつめられた兵士は住民虐殺、略奪、そして無数の強かん事件を起こしました。
フィリピン戦に従軍した作家・大岡昇平は『俘虜記』(1948年)、『野火』(1952年)で認められ、『レイテ戦記』(1971年)は”戦争文学の記念碑的大作”と評価されています。『レイテ戦記』は日米での膨大な資料収集と聞き取りにフィリピンでの調査も加えて、幾度も書き直されました。ところが虐殺や人肉食は描かれましたが、日本兵の強かんには触れていないのです。
大岡昇平はなぜレイテ島での強かんや慰安所を描かなかったのか――。
今回は大岡の戦争文学の謎のひとつをめぐって議論し、日本人が戦争加害にどう向き合ってきたかを考えていきます。
【日 時】6月3日(日)14:00~16:00
【参加費】800円(入館料を含む。wam 会員割引あり)
【場 所】wam オープンスペース
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大岡昇平(1909年~1988年)
1944年臨時召集で比島派遣渡兵団の補充要因としてフィリピンへ。
45年1月に米軍の捕虜となりレイテ島俘虜収容所へ。
12月に復員し、その直後から執筆活動を始める。
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【ゲスト紹介】
■彦坂諦さん(ひこさか・たい/作家)
1933年、宮城県生まれ。9巻に及ぶ『ある無能兵士の軌跡』(柘植書房)は、死の戦場、ガダルカナル島とルソン島から生還した赤松清和さんとの20年にわたる対話をまとめた大著である。その過程で、戦場における兵士の性行動と性意識に迫った『男性神話』(径書房)を著した。
■池田恵理子さん(いけだ・えりこ/wam館長、元NHKディレクター)
1950年、東京生まれ。「慰安婦」関連の番組を制作した動機のひとつに「大岡昇平は『レイテ戦記』でなぜ日本兵の性暴力を書かなかったのか」という疑問があった。共著に『黄土の村の性暴力大娘たちの戦争は終わらない』(創土社)ほか。