会期:2016年7月6日(水)~2017年6月25日(日) 2017年7月30日(日) 延長!
1942年1月にビルマを侵略した日本軍は瞬く間に全土を掌握しますが、兵力でも物資でも日本軍を圧倒していた連合軍の反撃にあって大敗、敗退を続けることになりました。多くの兵士が飢餓と傷病に苦しんで命を落とし、ビルマ戦線は“地獄の戦場”と呼ばれたほどでした。
ところがそのように凄惨な戦場にも、日本軍は随所に慰安所をつくりました。「慰安婦」にされたのは、朝鮮、中国、台湾、日本、そしてビルマの女性たちです。彼女たちは性行為を強制されながら空襲に遭い、部隊とともに逃げまどい、戦闘に巻き込まれました。
文玉珠さんはこのような“地獄の戦場”を部隊と共に移動し、奇跡的に生き延びた朝鮮人「慰安婦」のひとりでした。文さんの驚異的な生命力と意思の強さには目を見張るばかりですが、彼女の足跡から浮かび上がってくるのは、ビルマの無謀な戦場の実態と、過酷な人生を強いられた女性たちの姿です。
■ 第2展示室
ビルマの戦場と「慰安婦」
「慰安婦」問題の世界の動き
【国名について】1989年、ビルマの軍事政権は国名を「ミャンマー」に変えましたが、本展示では慰安所がつくられた当時の呼称である「ビルマ」を使っています。