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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

いま話題の公文書はこれ!―「兵70人に1人」

内閣官房が収集した日本軍「慰安婦」に関連する公文書が新たに明らかになったという共同通信配信の記事「慰安婦「兵70人に1人」外務省文書、軍関与を補強 内閣官房、新たに収集」(2019年12月6日配信)を読まれた方も多いかと思います。記事によると、2017年、2018年度に新たに合わせて23件の公文書が関連文書として認定されたといいます。

一連の公文書のうちのいくつかは、1938年5月に外務大臣廣田弘毅から送られた「支那渡航婦女の取締に関する件」での問い合わせに答えて、同年6月・7月ごろに中国の山海関、済南、張家口、芝罘、青島、北京、南京から外務大臣宇垣一成あてに送付された文書です。それぞれの地域における「特殊婦女」数の推移や、陸・海軍からの要望、取り締まりの様子などが書かれています。

共同通信の記事にあった「兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」というのは、6月29日付の青島総領事大澤正次郎からの文書に記されています。また青島では海軍からは陸戦隊と第四艦隊乗組員数を考慮して「芸酌婦合計150名位増加」の希望があることも記されています。

アジア歴史資料センターでも一連の文書(レファレンスコード:B06050090800)が閲覧・ダウンロードできますが、70人に1名の記述のある当該文書だけをご覧になりたい方は画像をクリック。