侵略戦争の最高責任者も、日本軍性奴隷制の責任者も、自らの手で裁くことをしなかった日本では、「誰が決定したのか」「誰に責任があるのか」を曖昧化する無責任体制が今も続いています。
そのような日本に告訴状をもって来日したのが、日本軍の「慰安婦」として性暴力被害を受けた韓国のハルモニ(おばあさん)たちでした。1994年2月、東京地検は告訴状も支援者たちの告発状も受け取りもしませんでしたが、人道に対する犯罪の加害者を訴追し、処罰する責任を日本は今も負っています。日本の司法は、ハルモニたちの正義を求める思いを無視し続けましたが、韓国の司法はいま、国際法の解釈を国家中心から人権を中心に組み替える作業に入っているといえます。
2011年8月30日の画期的な韓国憲法裁判所の判決から10年。東京地検への告訴告発に同行した戸塚悦朗さんに、重大な人権法・人道法違反の行為を処罰する国家の義務について、当時の議論やその意義を改めて聞きます。ハルモニたちの告訴や記者会見、報告集会の様子を捉えた映像も上映予定。ぜひふるってご参加ください。
日 時: 2021年8月30日(月) 14:00~16:30
お 話: 戸塚 悦朗さん
映 像:「ハルモニたちの告訴状(仮題)」(編集・構成:池田恵理子/20分/2021年)
*映像は山下英愛さんからwamにご寄贈いただきましたが、撮影者がわかっていません。心当たりのある方は、ぜひご連絡ください。
会 場:wamオープンスペース(定員20名/予約制・先着順)
*最近の感染状況にかんがみ、会場での開催を取りやめました。ご理解のほど、どうぞよろしくお願いします。
Zoomウェビナー(定員99名/予約制・先着順)
参加費:1000円
参加申し込み
【ゲスト紹介】 戸塚悦朗(とつか・えつろう)
1942年静岡県生まれ。弁護士。1984年以降、国連人権NGO代表として国際的人権擁護活動に従事。国連等で精神障害者等被拘禁者の人権問題、日本軍「慰安婦」問題などの人権問題を提起し続けた。2000年神戸大学大学院国際協力研究科助教授を経て、2003年龍谷大学法学部・法科大学院教授(2010年定年退職)。著書に『日本が知らない戦争責任ー国連の人権活動と日本軍「慰安婦」問題』(現代人文社、1999年)、『ILOとジェンダー―性差別のない社会へ』(日本評論社、2006年)、『日韓関係の危機をどう乗り越えるか―植民地支配責任のとりかた』(アジェンダプロジェクト、2021年)ほか。