日 時: 2023年11月3日(金・休)14:00~16:30
お 話: 栗原俊雄さん(毎日新聞記者)
会 場: wamオープンスペース(定員40名/予約制・先着順)
参加費: 1000円
春と秋に行われる叙勲には、毎年数十億円の税金が投入されていますが、根拠法がないことをご存知ですか? 日本の敗戦後に停止された生存者叙勲は、法律案が何度か提出されたものの成立には至らず、閣議決定で再開したのは1964年。主権在民をうたう日本国憲法の理念と矛盾する明治時代の「勅令」や「太政官布告」で運用されており、叙勲にかかわる情報公開も限定的です。
日本国憲法7条、天皇の【国事行為】には、「栄典の授与」が定められていますが、「国家が市民を格付けするもの」「官尊民卑の象徴」などという批判も根強くあります。そもそも、叙勲(勲章などを国家が個人に授与すること)は何のために存在しているのでしょうか。日本の勲章制度を本格的に研究している人は非常に少なく、『勲章 知られざる素顔』(岩波新書、2011年)の著書がある栗原俊雄さんはそのお一人です。秋はまさに叙勲の季節。その歴史から見えてくる天皇制について考えていきたいと思います。どうぞご参加下さい。
【ゲスト紹介】くりはら・としお
1967年生まれ。東京都出身。早稲田大学政治経済学部政治学科卒、同大学大学院修士課程終了(日本政治史)。1996年、毎日新聞入社。2020年から専門記者(日本近現代史、戦後補償史)。著書に『戦艦大和 生還者たちの証言から』『シベリア抑留 未完の悲劇』『遺骨 戦没者三一〇万人の戦後史』『東京大空襲の戦後史』(以上岩波新書)、『硫黄島に眠る戦没者: 見捨てられた兵士たちの戦後史』(岩波書店)『「昭和天皇実録」と戦争』(山川出版社)、『特攻 戦争と日本人』(中公新書)、『戦後補償裁判 民間人たちの終わらない「戦争」』(NHK出版新書)、『戦争の教訓 為政者は間違え、代償は庶民が払う』(実業之日本社)など、多数。2009年第3回疋田桂一郎賞(新聞労連主催)、2018年第24回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞(同基金主催)。