*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
wam第15回特別展セミナー (1)
被害を語った女性たち、語ることがなかった女性たち
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
その存在は知られてきたにもかかわらず、名乗り出て体験を語ることが少ない日本人の「慰安婦」にされた女性たち。被害を語った女性たちの傍らには、いつもともにあり、耳を傾けてきた人たちの存在があります。一方、敗戦から72年が過ぎ、被害を受けた女性の新たな名乗り出がいよいよ難しくなる中で、残された文書などの記録をたどって、語ることがなかった女性たちの姿を探し求める調査も始まっています。
場 所:wamオープンスペース(地図)
時 間:14:00~16:00
参加費:800円(会員割引あり)
第1回 2017年10月7日(土)
日本人の「慰安婦」を聞き取って
ゲスト:
川田文子さん(ノンフィクション作家)
沖縄に残留したペ・ポンギさん、在日の宋神道さんへの聞き取りや裁判支援をはじめとして、インドネシアや中国山西省を訪れ、様々な地域における多様な日本軍「慰安婦」の被害実態の聞き取りも行ってきた川田文子さん。名乗り出の少ない日本人の被害者についても、人づてに、あるいは「慰安婦110番」の情報提供を頼りに、その存在にたどり着き、尋ね歩いて、話を聞いてきました。長い月日をかけて人生を聞き取り、ご存命の女性との交流を現在も続ける中から見えた、日本人の「慰安婦」被害について話してもらいます。
第2回 2017年11月11日(土)
城田すず子さんを支え続けて
ゲスト:
天羽道子さん(「かにた婦人の村」名誉村長)
自らの「慰安婦」体験を語った数少ない日本人・城田すず子さんは、後半生を千葉県館山市にある婦人保護施設「かにた婦人の村」で過ごしました。彼女は自分の半生記を書き、「慰安婦」問題への理解を求めて女性運動家や作家たちから日米の政治家にまで手紙を出し、「慰安婦」の鎮魂碑建立に尽力しました。長年、この施設で城田さんを支え続けた天羽道子さんは、夢に「慰安婦」の亡霊が出てくると訴えたり、金学順さんの名乗り出を喜んでいた城田さんのことを忘れられません。城田さんの最も身近にいた天羽さんから、城田さんの素顔と率直な思いを語ってもらいます。
第3回 2017年12月2日(土)
日本人「慰安婦」の調査から見えてきたこと
ゲスト:
吉川春子さん(元参議院議員、「慰安婦」問題とジェンダー平等ゼミナール)
吉川春子さんは、1983年から参議院議員を4期務め、その間、1996年には警察庁から「慰安婦」関連の重要な資料を出させ、2001年には民主・共産・社民の3党で「慰安婦」問題を解法する案を提出するなど、「慰安婦」問題の解決に尽力しました。国会議員引退後、2010年に「『慰安婦』問題とジェンダー平等ゼミナール」を立ち上げ、2014年からは日本人「慰安婦」の調査に着手しました。その背景には、共産党提出の「慰安婦」法案では日本人も調査・被害回復の対象に含めていましたが、政府は調査をする気すらない現状があります。セミナーでは、ビルマで従軍した元軍医から入手した「慰安婦」の名簿をもとに、日本人「慰安婦」を追った3年間の調査から見えてきたことを報告していただきます。