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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

【全2回】特別展セミナー(2) 性の国家管理 日本の性売買システムはどのようにつくられたか

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wam第15回特別展セミナー (2)
性の国家管理
日本の性売買システムはどのようにつくられたか
場 所:wamオープンスペース(地図
時 間:14:00~16:00
参加費:800円(会員割引あり)
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第1回 2018年1月13日(土)
日本警察と性売買―国家管理の幕開け
ゲスト:大日方純夫さん(早稲田大学教員)
日本の警察はその成立直後から性を売ることを強いられた女性の身体をその管轄下に置き、その後もこの基本構造は変わりませんでした。民衆の視点から警察や内務省という国家権力の歴史を研究してきた大日方純夫さんに、明治初期、警察がどのように「公娼制度」をつくっていったのか、1930年代に軍が直接に慰安所を管理し始めたとき、警察はどう関与したのか、警察研究の視点から日本警察の性売買管理についてお話しいただきます。
おびなた・すみお:早稲田大学教員。著書に『天皇制警察と民衆』(日本評論社、1987年)、『日本近代国家の成立と警察』(校倉書房、1992年)、共著に『未来をひらく歴史―東アジア3国の近現代史』(高文研、2005年)『男性史 全3巻』(日本経済評論社、2006年)ほか多数。


第2回 2018年2月10日(土)
「売春防止法」は何をもたらしたか
ゲスト:角田由紀子さん(弁護士)
敗戦後、日本の性売買は大きく動きました。米兵を迎えるために準備されたRAAは、米国からの反対を受けて姿を消し、公娼制の再編成としての赤線青線指定、更に「売春防止法」が女性議員を含む国会で議論されていきます。しかし「売春防止法」はむしろ公娼制度にとって代わる新たな性売買システムをつくり出させてしまったことになります。今日の性売買をめぐる問題はここに始まるともいえましょう。女性の人権に関する理解を深める時間として、じっくりとお話しいただきます。
つのだ・ゆきこ:弁護士、東京・強姦救援センター法律アドバイザー。著書に『性と法律―変わったこと、変えたいこと』(岩波書店、2013年)、共編書に『性暴力被害の実態と刑事裁判』(信山社、2015年)など。