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戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館

在沖米軍による性暴力および情報隠蔽に抗議する緊急声明

在沖米軍による性暴力および情報隠蔽に抗議する緊急声明

2023年12月、在沖米空軍兵長による少女への性暴力事件が 発生し、2024年3月には那覇地検が不同意性交等の容疑で起訴していたことが、報道で明らかになりました。また今回、外務省は那覇地検が起訴した3月27日までに事件を把握していたにもかかわらず、6月25日まで沖縄県に情報を共有していませんでした。これは6月17日投開票の沖縄県議会議員選挙での争点化を避けるため、かつ、6月23日の首相や米軍関係者が参列する沖縄戦慰霊式典への影響を避けるための情報隠蔽としか考えられません。今回の事件以外にも米兵による性暴力事件は多発してきたにもかかわらず、近年、警察が情報を公表しない傾向が強くなっていることも指摘されています。

私たちは、米兵による性暴力が何度も繰り返される状況を許してきた米軍及び日本政府に強く抗議します。また、日本政府による情報隠蔽、特にその口実として「被害者のプライバシー」が利用されることに強く抗議します。被害者のプライバシーに配慮しつつ情報を自治体・市民と共有することは可能であるばかりでなく、あらゆる性暴力、ジェンダーに基づく暴力を根絶するためにも不可欠です。

米軍基地がもたらすさまざまな人権侵害の中でも、性暴力は、被害者に対するスティグマや、性暴力を軽視する司法制度のために、不可視化される傾向が続いてきました。埋もれた被害を掘り起こしてきた沖縄のフェミニスト団体の努力、また、あらゆる性暴力被害者の権利が守られる司法制度をめざしてきた多くの人びとの努力にもかかわらず、政府が「被害者のプライバシー」を盾に、必要な情報を隠蔽することは許されません。なぜ沖縄県への情報伝達が遅れたのか、警察が事件を公表しなくなっている傾向の背景に何があるのか、沖縄県にとどまらず基地があるすべての地域を対象に調査し明らかにするよう求めます。

日本政府は現在、国連安保理決議第1325号にもとづき、「女性・平和・安全保障」の積極的推進を掲げています。この決議の核心は、平和・安全保障に関わる意思決定への女性の平等な参加であり、そのためには透明で民主的な意思決定プロセスが不可欠です。わたしたちは、これまでの軍事的国家安全保障が、ジェンダーにもとづく差別・暴力と植民地主義の上になりたってきたことを認識し、市民、とりわけ直接影響を受ける人々の声が平和・安全保障の意思決定に反映されるよう求めます。
わたしたちは、国家安全保障を優先して、軍人による性暴力・ジェンダー暴力を不可視化し、過小評価し、許容してきた日米両政府に強く抗議します。あらゆる性暴力を許さず、基地押し付けと闘う沖縄の人たちと連帯します。

 

2024年7月2日 在沖米軍による性暴力事件の隠蔽を許さない!
抗議スタンディング 参加者一同